海が穏やかな日が続いている小笠原です。
恵まれた天候と海況に、観光でいらしたかたのみならず、島民も海に出掛けたくなります。

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二見湾を出てすぐ、ウェザーステーション下でミナミハンドウイルカに会いました。
水中に入ると、すぐ近くを3頭のイルカが通ります。
そのイルカを見送りつつ振り返ると、他のイルカたちが集まっていました。
12頭が海中で回りながら、声(音)を出し合っています。
そのうちの2頭が、激しいぶつかり合いを始めました。
コミュニケーションにしては荒々しく、擬似交尾でもなさそうです。
まるでケンカかと思うほどの激しさでした。
さしずめ周りのイルカたちは野次馬、もしくは立ち会い人でしょうか。
次のエントリーでも同じ状態かと思いきや、うって変わってフレンドリーに私たちと遊び始めます。
その次は、もうヒトに飽きたのか、さっさと行ってしまいます。
女心のような(雄イルカばかりでしたが)気分屋のイルカたちとのスイムとなりました。
それにしても、いったい、あのぶつかり合いは、イルカにとってどんな意味だったのでしょう?

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スイムを終えた船は、沖へ向かって走ります。
親子クジラがいるとの情報があったのです。
すでにほとんどのザトウクジラは北に向けて旅立っていますが、やっぱりどこの世界にものんびり屋さんはいるのかしら。
やがて、ふたつ並んだブローを見つけました。
大きなブローの母クジラは5分くらいの間隔で浮上してきて、小さなブローの子クジラはその合間にも頻繁に姿を見せます。
親子が並ぶとその大きさの違いに驚かされますが、約半年間エサを食べていない母クジラはさぞ空腹で、体重を落としていることでしょう。
この親子クジラも、そろそろ小笠原から離れていくのでしょうか。

キャベツビーチでスノーケリング休憩をとりました。
他と比べると水温はやや低めのポイントですけど、サカナの多さ、サンゴのキレイさは群を抜きます。
スノーケリングをされてるかたたちは、なかなか船に戻られません。
たっぷり泳がれたあとは、日向ぼっこをしながらランチタイムです。

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午後は、南に船を走らせました。
南島の西側で、ミナミハンドウイルカを見つけました。
20頭ほどが、二つか三つの群れに分かれて、広がっています。
海に入ると、4頭のイルカが近付いて、遊んでいきます。
次には、13頭のイルカがまとまって正面から来たと思うと、一緒に並んで泳がせてくれました。
通り過ぎたと思ったら、また戻ってくるイルカもいます。
どこを見たらいいのか、迷ってしまうくらいの大勢のイルカたちです。
どなたもが、それぞれ、イルカとのスイムを存分に楽しめたようです。

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ベタ凪なので、南島には、泳いで上陸しました。
上がり口の扇池では白い砂がまぶしく、東尾根から見下ろした海は青が際立ちました。
自然観察路を歩き回ったあとは、またアーチの下を泳いで、火照った体を冷やします。
これからの夏から秋は、南島は泳いで上陸するのが気持ち良い季節です。

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南島に上陸されないリピーターさんは、その間、先ほどのイルカをウォッチングしました。
舳先からは、浅くて白砂の海底を背景に泳ぐイルカが間近です。
イルカをつつむ淡いブルーがまるでプールみたいですけど、正真正銘、小笠原の海です。
その美しさに嘆声が上がります。
こんな光景に出会えるのは、小笠原ならではですね。

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ハートロックを背景に記念写真を撮り、ジニービーチ、ジョンビーチを眺めます。
最後は、ジョン沖に船を停めて、スノーケリングです。
キャベツビーチよりも深いぶん、サカナからまとわりついてはきませんが、テーブルサンゴとその下に潜むサカナのさまが魅力のポイントです。
透明度も良く、気に入ってくださったようです。

アフタヌーンティーをいただきながらお喋りしたあと、帰港しました。

このごろは、ミナミハンドウイルカとのスイムが快適です。
いつまでザトウクジラのウォッチを楽しめるのかも、気になるところです。(NAOMI)