ハードリピーターお一組だけの、貸切状態のツアーです。
今日はいったいどんな出会いがあるでしょうか。

二見湾を出てすぐ、ウェザー沖に船が数隻いるのが見えました。
ハシナガイルカの群れです。
早速私たちもウォッチングしましょう。

70頭ほどが北へ向かって移動しています。
夜の間に沖で餌を捕っていた興奮が抜けきっていないのでしょうか。
イルカ同士で絡んでみたり派手なジャンプをしたりと、アクティブです。
船首波に乗ってくるイルカもいます。

群れには小さなコドモも何頭か混じっていました。
ブローの瞬間、ぴょこんと飛び出してきて愛らしいです。
オトナに負けじとジャンプも披露してくれました。

イルカたちは滝之浦へ向かっていくので、ここで別れましょう。
船は兄島瀬戸を抜け、東島をぐるりと周り、父島の東側を走ります。
海底火山の噴火によって形成されたダイナミックな地形が面白いエリアです。

巽島のマグロ穴でスノーケリングをしました。
イソマグロはお留守でしたが、クマササハナムロやウメイロモドキが群れています。
穴の中は潮の流れがあって、漂っているだけで通過できてしまいました。
最近よく見かけるギンユゴイは、銀色の身体に白黒ボーダーの尾ビレが美しいサカナです。

ハートロックの下で、またハシナガイルカの群れに出会いました。
30頭ほどがゆっくり行ったり来たりしています。
朝一番に出会った群れとは異なり、移動ではなく休息モードです。

切り立った岸壁を背景に、時々ジャンプ行動を見せてくれます。
身体のスマートさや体色のコントラストが、青い海にひときわ映えていました。
イルカたちの立てる水飛沫がキラキラ輝いています。

南島の沖を通って、ジョン沖でお昼ご飯とスノーケリングタイムです。
透明度が良く、隆起サンゴで囲まれたポイントの端から端まで水中で見透せます。
テーブルサンゴの周りにはサカナがたくさん群れていました。

ミナミハンドウイルカの情報があったので、南島の西側へ向かいます。
潜っている時間が長く、泳ぐ方向もころころ変わります。
けれど水中に入ってみると、こちらに寄ってきて、並んで泳がせてくれます。
水深が浅く、海底が白砂なので、周囲の景色も格別です。

親子2組と、アダルト1頭の群れです。
子イルカはそれぞれ母イルカにぴったり寄り添って泳いでいます。
近付くと、コドモがお母さんのお腹の下からじっとヒトを見つめていました。

父島を一周して二見湾口に戻ったところで、またイルカがいました。
先ほどとは違って、海底の見えない深い場所での出会いです。
真っ青な海の中、5頭が身体を寄せ合ったり離れたり、イルカ同士で激しく絡んでいます。

後ろからやってきた2頭は、ヒトにも興味があるようです。
通過しがてらに、回って遊んでくれました。
行ってしまったかと思ったら、振り向いてこっちを見ています。
向きを変えて戻ってきてくれることもあるので、目が離せません。

たっぷりスイムを楽しんだあとは、枝サンゴでスノーケリングをしましょう。
スギノキミドリイシの群落が、見渡す限り続いています。
サカナたちの間にミズクラゲがふわふわ漂っている、幻想的な光景でした。

今日は午前中にハシナガイルカ、午後にミナミハンドウイルカと、イルカ三昧の一日でした。
それぞれの場所の景色や群れの行動を見比べるのも面白いものです。
何度海に出てもまた異なる出会いがあることが、ハードリピーターさんを惹きつける小笠原の魅力のひとつなのかもしれません。(KOKORO)