最近は、船を走らせれば、探さずともクジラが見つかります。
さて、今日はどんな出会いがあるでしょう。

小港沖にブローが上がりました。
次の浮上を待ちますが、15分過ぎても現れません。
呼吸間隔が長めなので、近くにいる別のクジラへ移ります。
ウォッチするクジラを選べるなんて、贅沢な季節です。

南に2頭のザトウクジラがいました。
こちらは10分間隔で浮上してきます。
呼吸を繰り返し、悠々と尾を上げ潜っていきます。

そこにイルカの情報が入りました。
湾沖にハシナガイルカがいるようです。
向かってみると、50頭程が波乗りをして遊んでいます。
あっちこっち無作為に出ては、見ている私たちを翻弄させます。
波乗りの合間にジャンプしているイルカもいました。

と、ハシナガたちの間からザトウが出てきました。
イルカとクジラの共演は、今の定番です。
きっと、ザトウが多すぎて、イルカたちもしょっちゅうすれ違っているのでしょう。
この時期のクジラの密度がどれくらいなのか、ぜひとも知りたいところです。

沖双子岩でゆっくりしているザトウを見つけました。
3頭がブローを高々と上げます。
次に浮上してきても、潜行した位置とほとんど変わっていません。

その北で、別のクジラがテールスラップを始めました。
釣られたのか、3頭は動き出して合流しました。
揃って泳ぎながら、時たま、テールスラップやペックスラップを披露していました。

沖に連続ブリーチしているクジラがいました。
間に合うかも、と船を走らせましたが、終わってしまいました。
次には、湾口でアクティブなクジラがいます。
今度こそ、とそちらに舵をきります。

長い胸ビレを持ち上げてペックスラップを繰り返しています。
右胸ビレで叩いたら、身体をひっくり返して左胸ビレでも。
両胸ビレで均等にスラップをしながら移動、という器用さです。
胸ビレの白に陽が当たって、とてもキレイです。

思い出したかのように、テールスラップをすることも。
横を走る私たちの船を嫌がらず、至近距離でも派手な行動を見せてくれます。
40分以上もスラップを続けたザトウでした。

お昼は、兄島海域公園のキャベツビーチで取りました。
太陽が出ているので、海の中も明るいです。
透明度の良さに、皆さま、驚かれていました。

キャベツビーチにいると、瀬戸をクジラが通りかけています。
船をブイから離し、早速、ウォッチング開始です。
3頭のザトウクジラが西から東へ泳いでいます。
そのまま東側へ抜けるかと思いきや、いきなりUターン、西に戻っていきます。
何か気に入らなかったのか、もしくは、何かに後ろ髪を引かれたのか。ザトウ心はわからずです。
3頭のうち1頭は、尾ビレが背中側に反り返る特徴的な形をしていました。

ウェザー下に親子クジラがいましたが、神経質だったので早々に離れました。
すぐに、沖にダブルブリーチが見えました。
4頭のクジラたちで、メイティングポッドです。
意中のメスを射止めようと、オスたちが鼻息荒く奮闘しています。
その南には、また別のクジラがブリーチをしています。

島の南側に回り込み、ハートロック背景に記念写真を撮ります。
と、そこに親子クジラがいました。
どうやらここで休息中のようです。
子クジラは頻繁に顔を出します。
まだ生まれたばかりの証である、薄灰色の小柄な身体が愛らしいです。

船に興味があった子クジラが近付いて来ました。
でも、さすがに心配なのか、母クジラが船との間に浮上してきて子を止めます。
子クジラを離れた場所に連れて行くけど、子は隙を見てまた船に近付いては、母クジラに止められる。
微笑ましい光景でした。
水面が凪いでいるので、クジラが浮上してくるのがわかります。
親子をゆっくりウォッチして、港に戻ってきました。

今日はアクティブなクジラにたくさん会うことができました。
力強さを見せてくれるメイティングのザトウに、のほほんとしたさまの親子ザトウ、そのさまのギャップも魅力的です。(NAOMI)