今日は外国人のお客様も交えてのチャーターツアーです。
快晴の空の下、賑やかに出港しました。

二見湾口で、早速クジラのブローを見つけました。
親子のクジラたちは、夜の間、湾内で休息していたのでしょうか。
外海へ向けて泳いでいきます。

湾内から出たところで、子クジラが遊び出しました。
オトナほどの大迫力というわけではないものの、それでも尾ビレの付け根までが水面に出る、渾身のブリーチです。

ときにはひねりを加えてみたり、背中から仰向けに落ちてみたりと、創意に富んだ遊び好きの子クジラです。
何度も繰り返されるブリーチに、感嘆の声が止まりません。

尾ビレで海面を叩く、テールスラップという行動も見せてくれました。
朝一番でこんなアクティブなクジラに出会えるなんて、幸先がいいですね。

まだほっそりとした尾ビレだけれど、これからきっと逞しく成長していってくれることでしょう。
名残惜しいですが、ほかのイルカやクジラを探しに、そしておすすめのスノーケリングポイントをご紹介しに船を進めましょう。

船がスピードを上げると、舳先で波が大きく砕けます。
船首の皆さまは、飛沫をものともせず、歓声を上げていらっしゃいました。

兄島海域公園のキャベツビーチでスノーケルタイムを取ります。
水に入るなりサカナたちに取り囲まれて、大興奮!
素晴らしい海中景観に見入った後は、船のアッパーデッキから飛び込み大会です。
オトナのお客様も、この美しい海を前にしては童心に返って夢中になってしまいますね。

初寝浦に船を停めて、ランチ休憩にしましょう。
食べ終えた後は、ビーチまで泳いで上陸し浜辺を散策される方、深いところでカメを観察される方、と楽しみ方は人それぞれ。
島らしい、ゆったりとした時間が流れます。

巽湾で、50頭ほどのハシナガイルカの群れに出会いました。
イルカたちは、船を囲んで行ったり来たり。
船の右にも左にもイルカだらけで、どちらを見ればよいか迷ってしまいます。

休息中ではあるのでしょうが、動きがややアクティブです。
イルカ同士で絡み合う姿や、ときにはジャンプ行動も見せてくれました。

勢いよく浮上してくると、呼吸孔や、名前の通りの細長いクチバシがよく見えます。
体色がくっきり分かれた、流線形の美しい身体です。

父島の南側に回り込み、ハートロックを見上げます。
海からハートの形をご覧になるのを楽しみにされていたお客様は、ひとしきり写真撮影に興じてらっしゃいました。

南島の扇池を覗いてみましたが、まだうねりが残っています。
小さいお子様がいらっしゃることも考慮して、上陸は諦めました。
隆起サンゴが作り出す景色や、南島に住む海鳥たちを、船から見て回りましょう。

ジニービーチ、ジョンビーチと回って船を走らせ、クジラの親子を見つけました。
体内で温められた呼気が空中に噴き上げられて、白いブローになります。
オトナは大きなブロー、コドモは小さなブローです。

子クジラはまだオトナほど長く深くは潜っていられないので、頻繁に浮上してきます。
お母さんクジラは尾ビレを上げて深く潜っていきました。

スノーケルでたくさん泳がれたので、今夜はきっとよくお寝みになれることでしょう。
遠方からいらしたお客様方には、小笠原の海と、そこに住む生きものたちとの出会いをお楽しみいただけたでしょうか。(KOKORO)