今シーズン初めてのマッコウ&ドルフィンツアーです。
朝にウェザーステーションへ海況チェックに行くと、穏やかな海が広がっていました。

出港し、イルカを探しながら南へ走りました。
南丸根の辺りで、ミナミハンドウイルカを見つけました。
潮波が少しありますが、泳ぐ準備をしましょう。
エントリーすると、10頭のミナミハンドウが真っ直ぐやってきました。
そして、回る、回る、回る。
とってもフレンドリーで、ヒトと絡んでいきます。
通り過ぎても、また戻ってきて絡んで、また行って戻っては絡んで、の繰り返しです。
いったい、何回イルカたちと回ったでしょう。

1頭が回り終えても、次から次へとイルカたちがやってきて、遊んで〜と催促します。
さすがに一息じゃ無理、と思って浮上しようとすると、な〜んだ、と、イルカが横目で見つつ追い抜いていきました。
そのまま去るかと思いきや、また戻ってきては遊んでくれます。
船に戻ったときは、どなたも長いスイムに息が弾んでいます。

イルカたちは飽きっぽい傾向があり、泳いでいてもじきに素っ気なくなることも多いです。
でも、このイルカたちは最初から最後まで状態が良く、たっぷりスイムを楽しむことができました。

スイムの後は、皆さま、ちょっとお疲れモードでしょうか。
でも、幸せな疲労感です。
ジョン沖でアンカーを下ろし、スノーケリングタイムを取りました。
テーブルサンゴの上には、ノコギリダイがたくさん群れていました。

船は北上して、キャベツビーチで早めのランチタイムです。
昨日に引き続き、水温が高く、透明度も抜群です。
思わず飛び込んでしまう海です。

午後は、マッコウ海域を目指して沖に走り出しました。
とたんに、西島の西でドルフィンスイムをしている船がいました。
私たちもお邪魔すると、4頭のミナミハンドウイルカです。
このイルカたちは、動きがゆっくりしたリラックスモードです。
ヒトが近付いても、逃げる様子もなく、並んで一緒に泳いでくれます。

寄ってきたイルカを見ると、メッカです。
左目が無いメッカですが、まるでヒトに寄り添うように泳いでいます。
時折くるりと回っては、また並んで泳ぎます。

ずっといつまでも彼らについて行けそうな、ゆったりスイムです。
午前のような激しく絡むスイムも良いですが、イルカの優雅な動きに見とれてしまうスイムも格別でした。

さて、イルカと泳ぎ終えたら、改めて、目的であるマッコウ海域に向かいます。
沖で水中マイクを入れると、さっそくクリック音が聞こえました。
音を頼りに走りつつ、クジラのブローを探すと、いました! マッコウクジラです。
マッコウならではの斜めに上がるブローも、海面に浮かぶ真っ黒な背も、久しぶりです。
マッコウは、何度も呼吸をしてから、ゆうゆうと潜っていきました。

小笠原のマッコウクジラは群れでいるので、他のクジラもいるはずと探すものの、なかなか見つかりません。
皆さまにも、マッコウの出す独特な音をお聞きいただきました。
ようやく見つけたマッコウは、船のすぐ側まで近付いてきました。
その前方には、また別のマッコウも。
呼吸を整え終えたのか、それぞれがすぐ目の前でフルークアップをし、深みへと消えていきました。

マッコウたちがいなくなった海で、クールダウンがてらスノーケリングタイムを取ります。
水深1000mもの海域で泳ぐなんて、貴重な経験です。
少し潜って水中で耳を澄ますとマッコウクジラのクリック音が聞こえてきます。
深い青に包まれてマッコウの出す音に耳を傾けていると、上下の感覚も失ってしまいそうです。

ずいぶん沖まできたので、そろそろ帰らなければいけない時間です。
気持ち良い風を浴びながら、帰港しました。

今日も、出会いに恵まれた1日となりました。
イルカとのスイムでは、それぞれの群れの雰囲気が全く異なり、彼らの人なつっこさと美しさを堪能できました。
マッコウクジラも間近でのフルークアップと、これからの出会いに期待大です。(NAOMI)