朝から雨が降っていましたが、出港するころには止みました。
うねりもだいぶ収まりました。
さて、今日はどんなツアーになるでしょうか。

まずは南島周辺で、イルカたちを探します。
けれど、今日はこの辺りにはいないようです。
北上して、兄島海域公園のキャベツビーチでシュノーケリングをしましょう。
色とりどりのサカナやサンゴが見られる、お勧めのポイントです。
船上で風に吹かれると肌寒いですが、水温は高く、水中にいるほうが暖かく感じます。

キャベツビーチを離れたところで、イルカ情報がありました。
西島にミナミハンドウイルカがいるとのこと、早速向かいます。

14頭の群れが、岸寄りを行ったり来たりしています。
エントリーすると、まとまって向かってきます。
これだけの頭数が集まっていると、なかなか見応えがあります。

子イルカにヒトが近づくと、母イルカが警戒しています。
ヒトと遊ぶのはまだ少し早いかな、ごめんね。
親子が通り過ぎていっても、また後ろから他のイルカがやってきます。

コバンザメをつけたイルカもいました。
これだけ大きなコバンザメだと、泳ぎの邪魔になりそうです。
群れは、散らばったりまとまったりを繰り返しています。
動きはゆったりしていて、並んで泳げます。

やがて、イルカたちは睡眠モードになりました。
水中で近付くと、眼をつぶったまま泳いでいます。
もう、ヒトにも興味がなくなったようです。

スイムを終えて船に上がったところで、後ろで水飛沫が上がりました。
珍しい、ミナミハンドウイルカのジャンプです!
尾ビレまでしっかり水面に出る、見事なジャンプを数回繰り返してくれました。
スマートなハシナガイルカのキレのあるジャンプとは違い、逞しいミナミハンドウイルカのジャンプは重量感があります。

滝之浦の浅沈で、ランチとスノーケリング休憩にしましょう。
沈没船の周りには、サカナたちが群れています。
キャベツビーチよりも深さがあり、全く異なる海中景観です。

午後はマッコウクジラを探しに外洋へ向かう予定でしたが、海況が良くないので、引き続き沿岸域でイルカを探すことにします。
儀兵岩沖で、背ビレを見つけました。
ミナミハンドウイルカが2頭います。
水中に入ると、まっすぐこちらへ泳いできました。

海面を背景に、下から見上げるイルカの姿もまた美しいものです。
ヒトを嫌がらず、並んで泳がせてくれました。

でも、船が集まってきてからは、次第に潜りがちになりました。
船が近づくと潜ってしまうので、なかなかタイミングがつかめません。
エントリーしても、すっと通過していってしまいます。
このあたりでスイムを切り上げましょう。

当初の予定を変更し、南島へ上陸することにしました。
東尾根の上から見ると、南島瀬戸に波が立っているのがよく分かります。
その反面、南島の北側は、父島が風を遮っているのですっかり穏やかです。

扇池の砂浜には、アオウミガメの卵の殻が落ちていました。
今は孵化シーズン真っ最中です。
風が砂の斜面を崩し、ヒロベソカタマイマイの半化石もたくさん散らばっています。
クビキレガイの小さな殻も、ご覧いただきました。

船に戻り、岸寄りを走って帰港しました。
出港前は雨・雷予報にハラハラしていましたが、蓋を開けてみれば時折小雨が降る程度の1日となりました。
2群のイルカたちとも出会うことができました。
風が強く、マッコウ海域へは走れませんでしたが、ぜひまたの機会にリベンジしていただければ嬉しいです。(KOKORO)