天気予報では雨になっていて、空模様が気になります。
さあ、とにかくクジライルカを探しに行きましょう。

ハシナガイルカの情報で、烏帽子岩に向かいました。
80頭ほどのイルカたちが南下していました。
船を囲んで、そのまま泳ぎ続けます。


舳先からも、真下にイルカの姿がよく見えます。
クチバシも胴も細長いハシナガたち、なんて気持ちよさそうに泳いでいることでしょう。


南島の扇池も穏やかです。
泳いで上陸したら、ちょうど日差しが差し込んで、景色がいっそう明るく映えていました。


上陸されないかたたちは、その間、沖でザトウを見つけてました。
1頭の若いクジラが、しきりに尾ビレを振り回しています。
すぐ横にいるオトナのクジラに何かアッピールしているのでしょうか。


その沖の潮波の中で、子クジラが遊び始めました。
ジャンプしたり、頭を出したり、楽しそうです。
遊びながら、どんどん南へ動いてました。


次に会ったクジラたちは、それぞれがブローを繰り返してから、尾ビレを挙げてきれいに潜っていきました。
尾ビレの裏側は、白と黒、見分けやすい模様でした。


上陸チームをピックアップして、南島瀬戸を抜けます。
二本岩沖で、ザトウの群れを見つけました。
ブローが林立、少なくとも6頭の交尾集団です。


クジラたちは、それぞれが荒々しいブロー音と共に浮上し、互いを威嚇し合ってます。
のしかかるような動きも何度も見せます。


頭を突き出すクジラもいれば、胸ビレを振り回すクジラもいます。
クジラが水中で息を吐くたびに、海面が水色に染まります。
大きなクジラたちが激しく動くその迫力に、すっかり魅入られてしまいました。


そこへ、ミナミハンドウの情報が入りました。
目の前のクジラたちに後ろ髪を引かれながら、ウェザー沖へ向かいました。

3頭のミナミハンドウイルカは浅瀬をゆっくり泳いでいました。
水中に入って待っていると、まっすぐ来て、下を通り過ぎます。
ヒトと遊ぶ気はないようですが、といって、嫌がって向きを変えることもありません。


中に、大きな傷のあるイルカがいました。
どうしてこんな怪我をしたのか、気になります。
それでも、すでに治りかけていそうですね。
早く目立たなくなりますように。


ランチ休憩は、いつもの兄島海域公園です。
お弁当を後回しにして、いつまでも泳いでらっしゃるかたも。
水温も20℃あるので、ウエットスーツを着ればぜんぜん寒くはないのでしょう。


昼過ぎから、とうとう雨が降り出してしまいました。
西島沖で見つけたザトウを、フードや帽子をかぶってウォッチングです。

どうやら、午前に見つけた交尾集団がそのままここまでやってきたようです。
しきりに頭を突き出す1頭など、彼らの動きは変わりません。
雨だからカメラやビデオの撮影はあきらめて、そのぶん、たっぷり眼と耳とで楽しみましょう。
クジラたちの近くには別のブローもあり、メンバーの入れ替えもしてるだろうと思われます。
そこへ、いきなり真ん前での見事なブリーチ!
全員、はっきりとその眼で見ることができました。
跳んだクジラは北へ泳ぎ去りましたので、もしかしたら、競争に負けたクジラのヤケブリーチだったかもしれません。

北上していた群れは、弟島で向きを変えて、また争いながら南下し始めました。
果たして、いつまで競い合うのでしょうか。

クジラたちの熱い闘いの目撃者として、興奮冷めやらぬままの帰港でした。