雲間に日が覗いています。風はなく、穏やかな海です。
イルカとマッコウを探しに、今日も出港です。

すぐに見つかったのは、ハシナガイルカでした。
40頭程の群れが行ったり来たりしています。
休息モードでしょうか。

船の近くまで寄って来ては、ジャンプしたり、船首波に乗って遊んでいます。
近くの船からも歓声が上がりました。
イルカたちは船との併走を楽しんでいるようです。

海中を泳ぎ回るハシナガたちの姿を、船上から見透せます。
あちらの船の前、こちらの船の横と、泳ぎ回っていました。
自由に遊んでいるイルカたちです。

南島沖には、ミナミハンドウイルカが1頭いました。
他船のお客さんたちの近くに背ビレが見えます。
本船も、用意をしてエントリーしましょう。

ひょいひょいと、よく向きを変えるヤングです。
離れてしまうかと思えば、すぐ近くまで寄ってきます。
その動きに振り回されながらも、タイミングを合わせて泳ぎます。

船の真下に入り込んでみたり、船首で遊んだり。
気まぐれに、こちらの周りをくるくると回ることもありました。
いろいろなものに好奇心を示していたイルカでした。

南島東岸には、まだ白い羽毛に包まれた若いカツオドリがあちこちで見られます。
岩穴の中で雨宿りをしている、ちゃっかりしたヒナもいました。

お昼休憩をジョン沖で取りました。
海は澄んでいて、サンゴやミナミイスズミの群れが船上からも綺麗に見えます。
スイムを終えた頃から、ぱらぱらと雨が降りだしました。
止みそうになっても、すぐにまた、次の雨雲がやって来ます。

雨雲を避けようと、早めに船を走らせました。
幸い、外洋域では雨が降っていませんでした。
水深1000m付近で水中マイクを入れると、マッコウクジラのクリック音が聞こえました。
音が大きく聞こえる方向に、船を動かします。

水中マイクの音を頼りに探していたら、船の後方でブローが上がりました。
マッコウクジラです!
斜めに上がる、特徴的なブローです。

周りには、別のブローも見えています。
親子らしき2頭が授乳していたり、1頭で漂っていたり、子クジラだけが海面で泳いでいたり。
群れのマッコウを次々とウォッチしました。
丸みを帯びた頭や皮膚が波打つ体表、尖った背ビレもよく見えました。

マッコウは、ブローを繰り返してから、高く尾を上げて潜っていきます。
母クジラのあとを追って子クジラも潜っていきましたが、じきにまた浮上しています。
一緒に深みへ潜れるようになるのは、いつのことでしょう。

ウォッチしたあとは、クールダウンのシュノーケリングをしました。
外洋域の深い青は、沿岸域とはまた違う濃さで、肌が染まりそうです。

ハシナガイルカにミナミハンドウイルカ、マッコウクジラと、目的のクジライルカをたっぷり楽しめました。
夏の小笠原らしい、良い一日でした。(KOHEI)