日差しが眩しく、今日も暑い1日になりそうです。
日焼け止めをしっかり塗って、出港しましょう。

野羊山を回り、州崎の沖合で、他の船が何隻か停まっているのが見えます。
近付いてみると、30頭ほどのハシナガイルカの群れがいました。
休息中のようで、のんびりと泳ぎながら船にも寄ってきてくれます。

スマートな流線型の身体に、濃いグレーと薄いグレーのコントラストが映えます。
群れの中には小さな赤ちゃんも見られました。
夏の日を浴びて、元気に育っていってほしいものです。

午前中は父島の周辺でイルカを探します。
南島の西にミナミハンドウイルカがいました。
方向が変わりやすく、潜っている時間も長いので、進路を読むのが難しいです。

ややシャイなイルカたちなのか、エントリーするとすぐに潜ってしまいます。
それでも、南島周辺の白砂の上を泳ぐ姿は遠目にも美しいです。

潜っていたイルカが、ヒトに興味が湧いたのか、ゆっくりと浮上してきました。
目と目を見交わしていると、言葉は通じなくても、何かが通じ合いそうな気がします。
ヒトの回りをくるりと一周回って泳ぎ去っていったイルカは、何を思っていたのでしょうか。

さて、船に戻りましょう…、と思ったら、向きを変えたイルカたちが戻ってきました。
今日はフリーダイバーのお客様も多く、上手にイルカに近付いてらっしゃいます。
イルカたちも、ヒトをちらちら見ながら並んで泳がせてくれました。

イルカが行ってしまってからも、海の青さを堪能します。
バブルリングがゆっくりと水面に向かって上がっていくのを見ていると、時が経つのを忘れてしまいそうです。

今日は行ったり来たりのイルカたち。
いつもマイペースな彼らは、日ごとに全く異なる行動や表情を見せてくれます。

海底ではウメイロモドキが群れをつくっていました。
黄色い尾ビレに光が当たって輝いています。

朝からハシナガイルカとミナミハンドウイルカの両方との出会いを楽しんでいたら、もうお昼です。
金石沢でランチとシュノーケルタイムを取ります。
水面でスイムの練習をしたり、海底からアカイセエビの抜け殻を拾ってきたりと、皆さま思い思いに楽しんでいらっしゃいました。

午後はハートロックを覗いてから、マッコウクジラを探しに外洋域へ船を走らせます。

その前に、最近マンタと遭遇することの多い巽湾で、今日もマンタを探してみましょう。
最初に見つけた個体は動きが速く、すぐ潜ってしまいました。
水中で間近に見られた皆さまはラッキーでしたね。

次の個体は少し深いところを泳いでいます。
エントリーしてみようとしましたが、岩礁に近付いていきそうなので、安全第一。
今回はやめておきましょう。

3頭目は船に近付いてきて、真下でひっくり返って白いお腹を見せてくれました。
ヒトが水中に入ると逃げていきかけましたが、遠ざかりながらも振り向いてこちらを見ています。
水中を羽ばたくように泳ぐ姿が優雅でした。

いよいよ父島を背にして外洋域に向かいます。
水深1,000mラインを越え、何度か水中マイクを下ろしてみましたが、マッコウクジラのクリック音は聞こえません。
どこか別の場所でのんびり過ごしているのでしょうか。

日も傾きかけてきたとはいえ、まだまだ暑いです。
外洋域でのスノーケリングタイムにしましょう。
父島沿岸域よりは少し水温が低いですが、クールダウンにはちょうどいいくらいです。
どこまでも青い海の中、フリーダイバーの皆さまの泳ぎはまるで海の生き物のように自由自在でした。

爽やかな潮風に吹かれながら帰港します。
残念ながらマッコウクジラには会えませんでしたが、沿岸域でのイルカやマンタとの出会いを楽しめた、夏の1日でした。(KOKORO)