閉じる
ザトウクジラ
ー Humpback Whale ー
ザトウクジラ

ザトウクジラザトウクジラは、体長13m、体重30tになる大型のクジラです。

夏のあいだは、北のアリューシャン列島やベーリング海でニシンやオキアミなどを採餌していて、冬になると、交尾・出産・子育てのためにはるばる暖かい小笠原にやってきます。
水深300m以浅の浅い海域を好むので、冬から春の小笠原の沿岸域でウォッチングの対象になっています。

ザトウクジラの特徴は、体長の3分の1にもなる長い胸ビレです。

尾ビレの裏側の模様が1頭づつ違うので、それによって個体識別が出来ます。
ザトウクジラ小笠原では1988年から個体識別調査を行っていて、これまで1,100頭以上ものクジラがナンバーリングされています。

ブロー(噴気)は、4〜5mの高さにまっすぐ上がります。数回呼吸してから尾ビレを高く上げて潜り、15分くらいのちにまた呼吸のため浮上してきます。

ときには、テールスラップ(尾ビレで水面を叩く)・ヘッドスラップ(頭で叩く)・ペックスラップ(胸ビレで叩く)・ブリーチ(ジャンプ)などの活発な行動を見せることもあります。
1頭の雌を追って雄同士が争う交尾集団は、他のクジラの上に乗りかかったり尾や頭で叩いたり、攻撃的です。
ザトウクジラ生まれて間もない子クジラが、親を真似てブリーチを繰り返す姿は愛らしいです。

毎シーズン、初めてザトウを確認されるのは11月ごろですが、ツアーでコンスタントに見られるようになるのは12月下旬です。
最も多いのは2月で、3月から北へ帰りはじめます。4月まではまだ多く見られますが、5月のゴールデンウイークを境に見られる数は減ります。

ソング -Song-

ザトウクジラ成熟雄のザトウクジラは、繁殖海域で、メロディーをもった鳴き方をします。それをソングと呼びます。
同じ海域にいるザトウクジラたちは、同じメロディーを歌っています。
以前には、雌のクジラへの愛の歌と考えられていましたが、最近の研究では、他の雄に対しての縄張り宣言という説の方が有力です。

クリックすると鳴き声が聞こえます 

閉じる