コブハクジラ
ー Blainville's Beaked Whale ー
コブハクジラは、体長5mくらいです。
体色は灰黒色で、雄には、ダルマザメの丸い噛み傷や仲間の引っ掻き傷がたくさん付いています。
下顎の方が長く、その口角が上がってます。成体の雄はこの上がった部分に大きな歯があり、それが名前の由来になってます。雌や若い雄には、その歯はありません。
熱帯と亜熱帯に分布しているようですが、日本で見られることはごくまれです。
海で会っても、他のオオギハクジラの仲間との区別が付きにくく、なかなか同定できません。
たいていは、解剖しなければわからないくらい、難しいようです。
Sea-Tacでは、99年に外洋域で4頭のコブハクジラと思われる群と遭遇しました。
ゆっくり船の近くを泳いでくれたので、船上から撮ることができました。
水中に入ると、こちらを気にしつつ通り過ぎたあと、もう一度戻ってきてくれました。
おかげで、貴重な水中写真の撮影にも成功しました。
専門の研究者にこの写真を見てもらったところ、コブハクジラに間違いないとのことでした。
2000年にも、5〜6頭の群れと会いましたが、このときは神経質で、じきにいなくなってしまいました。
日本でもストランディングの記録は数例ありますが、その生態についてはまだほとんど知られていない、とても珍しいクジラです。