小笠原の水先案内人

vol.48 2019年09月15日配信

Contents ★マンタフィーバー★
     ★群れの数は★
     ★海の中の音★
     ★ドリフトスノーケリング★
     ★海洋ゴミ★
     ★竹芝での盆踊り★
     ★Tomocolumn 40「望月氏への思い」★
     ★料金改定★
     ★お知らせ★

こんにちは、TOMOKOです。
小笠原のこの夏は、すっかり台風に振り回されました。
8月の台風10号は小笠原の南東に居座り、何日にもわたって影響を与え続けました。着発中の二便のあいだ、ついに一度もドルフィンツアーを催行できず、毎朝、ツアー欠航のご連絡をしなくてはなりませんでした。
9月の台風15号は、父島の東をぴゅーんと通り過ぎてくれたのですが、そのあとの進路がおがさわら丸航路と関東地方直撃コース。おがさわら丸の東京出港は二日遅れとなり、しかも当日の出港時刻も3時間遅れました。ご予約されたお客様のほとんどは短くなった滞在に小笠原旅行をキャンセル、また「一泊でも行く!」と仰ってたかたも、当日の首都圏交通マヒにより竹芝まで行けず、やはりキャンセルとなりました。
この台風はあちこちに多大な被害を与えたようですが、皆さま、いかがお過ごしだったでしょうか。
こうして書いてる今も、南の海上には怪しい雲の塊があります。これ以上、台風に右往左往させられずにすむといいのですが。

★マンタフィーバー★
小笠原の梅雨が明けると、マンタの季節がやって来ます。通年見られる可能性のあるマンタですけど、初夏は遭遇率が高くなり、スイムチャンスも増えます。
小笠原のマンタは、ほとんどがオニイトマキエイという種類です。横幅は3~5mほど、最大で8m近くにもなるそうです。それだけ大きな生きものが、ヒレをはためかせて優雅に泳いでいく姿は、圧巻です。イルカよりマンタの方が強く印象に残ったとおっしゃるかたもいらっしゃいます。かく言う私も、マンタ好きの一人です。
今夏もマンタスイムを楽しみましたが、なんとその数の多いこと!!!ピーク時には、巽湾の中だけでも10尾ほどいたでしょうか。あっちにもこっちにもマンタの影があり、そのたびに急いで泳ぐ準備をしたものです。そのうちお客さま自身でマンタを見つけられるようになるほど。過去に例を見ない、マンタが多い年になりました。例えイルカがいなくてもマンタは見られる、というさまでした。
出会いの回数が増えると、マンタごとの個性も垣間見られました。神経質らしく、あっという間にヒトを避けて潜ってしまうマンタもいれば、水中でひっくり返ったままずっとヒトの真下を泳ぐ、好奇心が強いマンタもいます。
また、ブラックマンタ(腹部が黒い個体)の確率も高いです。通常のお腹が白いマンタは軽やかで優美という雰囲気ですが、ブラックマンタはその重厚感にたじろがされます。デビルフィッシュという別名で呼ばれていたのは、まさにこんなマンタのことでしょうか。白と黒、どちらにも会えたかたは、それぞれの印象がまるで違ったはずです。
十二分に満喫したマンタシーズンでしたけど、なぜこんなにも大量発生していたのかは謎のまま。さて、来シーズンはどうなるでしょう。(NAOMI)

★群れの数は★
イルカの種類によって、群れの形態は様々です。ハシナガイルカは数十から数百頭の単位で生活していますけど、ミナミハンドウイルカは、数十頭でいることもあれば、一頭だけのこともあります。
30頭以上ものミナミハンドウとのスイムは、まさにイルカリバーという言葉がぴったりです。海中で、次から次へと川の如くやってくるイルカたちに圧倒させられます。前後左右イルカに囲まれ、どこ見ればいいのか分からなくなります。1回のスイム時間も長く、順番に複数のイルカと並んで泳ぐことができます。小さなベビーもいれば、好奇心旺盛のワカモノ、達観したアダルト、寄り添う親子など、多様なイルカたちのコミュニティを観察できます。
とはいいながらも、実はイルカたちに対して少数派のこちらが、むしろ反対に観察されてるようにも感じます。近付いてくるイルカたちから、さあ、あなたはどうしたいの? どのイルカと遊びたい? どの程度ついてこられる? と、試されてるような気にもなるのです。どのイルカに近付こうかと迷ってるうちに、イルカたちがゆうゆうと通り過ぎてしまったりして。
また、大きな群れでは、イルカ同士で遊びに夢中になっていることがままあります。ヒトが近付いても、その輪に入れてくれることはありません。
なので、イルカが多ければいいとも限らないのです。
いっぽう、たった一頭か、と、ようやく見つけたイルカの数にちょっと残念な思いをしながら海に入ると、そのイルカが実にフレンドリーで、それはそれは長い時間遊んでくれることがあります。こちらの息が切れるほどぐるぐる回ったり絡んだり、こっちのヒト、あっちのヒトと、順番にいつまでも挨拶し続けてくれたり。一頭相手なのに、思いのほか、ロングスイムになってしまいます。
さて、あなただったらどちらがお好みですか。たくさんのイルカたちに囲まれるか、一対一でたっぷり遊んでもらうか。う~ん、悩みどころですね。
数など見た目だけでは分からない楽しさがあるのが、ドルフィンスイムです。どちらも!というのが、贅沢ながらも本音の答えでしょうか。(NAOMI)

★海の中の音★
夏から秋にかけて、Sea-Tacではマッコウクジラのウォッチングツアーを催行しています。
マッコウクジラは水深1,000m以深の外洋域に暮らしています。父島を背にして30~40分程度船を走らせると、沿岸域とはまた違う濃い青の海が広がっていて、見るたびに「これがボニンブルーか」と息を飲む思いです。特に、凪いだ日のとろりとした質感の海面の美しさは格別です。
マッコウクジラウォッチングでは、最終的には水面に浮上した彼らのブローを探すのですが、まずは彼らの出す音を手がかりにします。マッコウクジラが採餌をする深海には光が届かないので、彼らはクリック音と呼ばれる音を発してその跳ね返りで餌を探しています。彼らが近くにいるときは、船上から水中マイクを下ろすとそのクリック音が聞こえてきます。音のする方向へ向かえば、彼らに出会える確率が高まる、というわけです。はっきり聞こえるときには、ヘッドホンやスピーカーで、皆さまにも聞いていただきます。
外洋域で、クジラたちから離れて、クールダウンのためにスノーケリングをすることがあります。海底などもちろん見えず、少し潜ると上下が分からなくなりそうな青一色の世界です。息を吸い込んで潜り、動きを止めて耳を澄ますと、「カチッカチッ」「パチン」というマッコウクジラのクリック音が聞こえてきます。マイクやスピーカーを通さずに、身体ごと彼らの出す音に浸りましょう。ザトウクジラのソングとは違い、言われなければ生き物が出している音とは思えないような機械的な音ですが、彼らの生きる海で共に泳いでいるのだ、と実感する瞬間です。
マッコウに限らず、少し意識してみると、海の中は案外賑やかです。例えば、波の音や泡が弾ける音だけでなく、ドルフィンスイム中にはイルカたちの鳴き声をお聞きになったかたもいらっしゃるでしょう。「ピーピー」「キューキュー」という陽気なホイッスル音が海中に響いているときはイルカたちがご機嫌らしく、ヒトと絡んでくれる傾向が強いように思います。「ジジジ」というバーク音を後頭部に感じて振り向くと、後ろでイルカが「遊ぶ?」とこちらを誘うように見ていたこともありました。
そういえば、沿岸域の海中にザトウクジラのソングが響く季節も、もう2ヶ月後に迫ってきています。次のシーズンはどんなソングを聴かせてくれるのでしょう。
もうしばらくは夏の海を楽しみたいところですが、冬の小笠原も別の魅力がいっぱいです。(KOKORO)

★ドリフトスノーケリング★
え? 何、それ? 初めてこの言葉を聞いたかたもいらっしゃるでしょうか。
いつもは、キャベツビーチやジョン沖などに停めた船の回りでスノーケリングしていただきますが、ときに、船を停めずに、潮の流れに乗って移動しながらスノーケリングすることがあります。それが、ドリフトスノーケリングです。
皆で揃って流されていくので、むやみにフィンを動かす必要はありません。潮に身を任せて、楽ち~んです。海中に気になるものを見つけたら、そのときはフィンを掻いてちょっと潜ってみましょうか。でも、あまり深くは潜らないように。もしかしたら、海底近くには別方向への流れがあるかもしれませんから。
もちろん、スタッフもご一緒に流されて、皆さまを見ていますし、ちょっと沖には船もついてきています。もう上がりたい、と思ったら、いつでもスタッフか船に合図してくれればいいのです。
流されるにしたがって変わる周りの景色を見逃さないよう、眼をこらします。普段は人が近付かないサンゴ礁は、まったく傷ついてなく、いちだんと美しいです。岩場の周りには、見慣れないサカナがたくさんいます。ときに回遊魚も姿を見せますし、気が付くと色鮮やかなサカナの大群に囲まれていたりもします。また、アオウミガメが海中をゆうゆうと泳いでいることもあります。もちろん、ポイントによって、そのときによって、見られる光景は変わります。
リピーターさんに人気のドリフトスノーケリングですが、潮の流れや参加者の習熟度など諸条件が整わないとなかなかできません。
それでもチャンスがあればやってみたいというかた、お約束はできませんが、リクエストしてみて下さいね。(TOMOKO)

★海洋ゴミ★
ツアーで船を走らせていると、時折、ゴミが海上を漂っているのを見かけます。状況さえ許せば、回収して持ち帰るようにしています。漂っているのは、漁網やロープ、ブイ、ペットボトルが多いですが、ときにはお風呂用のイス、なんて変わり種に出くわすこともあります。ペットボトルのラベルも、日本語のものばかりではなく、英語や中国語のこともあり、いったいどこから流れてきたのかしら、どれくらいの期間漂っていたのかしら、とゴミの旅路に思いを馳せてしまいます。
長い間海を漂っていたゴミには、藻類やカメノテが付着していたり、小さなカニが乗っていたりして、彼らは急に船に引き上げられてあたふたしています。せっかくの住みかを取り上げてゴメンね、次を探してね、と祈りながら海に返します。
この夏に印象的だったのは、スノーケリングに停まった万作浜で回収した巨大ゴミです。どこからやってきたのか、大人5人はゆうに入ることができそうな、黒い筒状の物体でした。波打ち際で浮き沈みしているのをスタッフが見つけ、3人がかりで船まで運んだものの、ステップの通路よりも直径が太くてなかなか通せません。乗船されていたお客さま総出で手伝っていただいて、なんとか船に引き上げました。帰港して桟橋に上げる際も含め、ご協力いただいたお客さまがた、他ショップのスタッフの方々、どうもありがとうございました。
環境省の調べによると、世界では毎年少なくとも800万トンものプラスチックゴミが海に流出しているそうです。当然、海の生き物たちにも少なからぬ影響を与えています。死亡漂着したクジラやイルカの体内から大量のプラスチックゴミが見つかったというニュースを耳にすることもあります。小笠原でも定期的にビーチクリーン活動を実施、多くのゴミを回収しています。
身近なところでも、ツアー中、キャベツビーチなどで船を停めてランチをとっているときに、おにぎりを包んでいるフィルムやお弁当の中のバランなどが、風で飛ばされて海に落ちてしまうことがあります。潮に流される前にスタッフが急いで回収しますが、乗船される皆さまも、豊かで美しい海を守るために少し気にかけていただけますでしょうか。(KOKORO)

★竹芝での盆踊り★
8月に行われる父島の盆踊りは、それを目当てに来島されるリピーターさんも多く、島民も楽しみにしている人気のイベントです。二重三重どころではない、五重にも六重にもなる踊りの輪が櫓を囲み、大勢が賑やかにかけ声をかけながら踊ります。
その盆踊りが、「Bonin Bon-odori Festa」と銘打ち、今年も竹芝へ出張します。
9月29日(日)14時から19時、東京都立竹芝商業高校のグランドに櫓を組むそうです。盆踊りは17時からですが、その前にトークイベントや音楽ライブ・小笠原フラなどがあり、飲食ブースも設置されるとか。
残念ながらSea-Tacのスタッフは参加できませんが、このために参加する島民もいて、きっとあちこちで小笠原に関する話に花を咲かせることでしょう。
小笠原経験者のみならず、興味のあるかたはぜひいらして下さい。(TOMOKO)

http://blog.vill.ogasawara.tokyo.jp/2019/08/09/bonin-bon-odori-festa/

★Tomocolumn 40「望月氏への思い」★
1999年3月20日、カメラマンの望月昭伸氏は、母島沖でのザトウクジラ撮影中に行方不明となりました。もう、あれから30年経つのですね。
私が小笠原に移住したのが1988年で、その前年に望月氏が日本で初めてクジラの水中撮影に成功したのでした。そして、日本でのクジラ撮影をライフワークと決めた彼は、10年間にわたって小笠原でザトウクジラを追うことにしました。
それに関わっていたのが父島の某ダイビングショップで、そこのインストラクターだったMAKOTOが、もっぱら望月氏の乗るボートを操船していました。当時の小笠原はホエールウォッチングが始まったばかりで、クジラの見つけかたや近付きかたも手探り状態、二人でああでもないこうでもないと試行錯誤しながらの毎日だったそうです。
結局、速度を上げてザトウを追いかけても相手が逃げるばかりだとわかり、時間をかけてそっと近付いていく方法になったとのことでした。そのときに培ったノウハウが、のちのちSea-Tacのウォッチングツアーにおけるクジラへのアプローチ方法の基礎となっています。
また、毎年、望月氏の撮ったザトウの写真が村の宣伝に使われて、内地の人たちに大きな印象を残してくれました。それらの写真をきっかけに小笠原を訪れた人も大勢いらっしゃいました。
望月氏とは、仕事上のみならず、プライベートでも仲良くお付き合いさせていただきました。一緒にアラスカへザトウを見に行った日々も忘れられません。いつも明るく元気に振る舞っていたけど、実は気遣いの多い人でした。
「ま、長い人生、いろいろあるさ」が口癖だったけど、彼にとっての人生がそれほど長くはなかったのが哀しいです。それでも、小笠原でザトウを追っていた時間は、彼にとって楽しく充実していたと信じたいです。
共に飲んでるお酒を切り上げるときの決まり文句は、「宴、たけなわではありますが」でした。望月さんこそ、まだまだカメラマン人生たけなわだったのに、あそこで切り上げなくても良かったのに。
あの日、ザトウと共に海に消えたモッチー、小笠原でのザトウウォッチの礎をつくってくれたモッチー、きっと意気揚々と素晴らしい写真を携えて海から戻ってくると期待していたのに。
あなたと過ごしたひとときは楽しかったよ。今の小笠原のザトウも見て欲しかったな。あなたの名前をつけたモッチーニというクジラは、毎年帰ってきてるのよ。
今でも、あの頃を知る人と会うとモッチーの懐かしい話が出ます。改めて望月氏の言葉のあれこれを思い起こして、ちょっと淋しくなる30年目です。(TOMOKO)

★料金改定★
Sea-Tacでは、消費税率引き上げと諸費用高騰にかんがみ、10月1日からツアー料金を改定させていただきます。
恐れ入りますが、どうぞご理解下さいますよう、宜しくお願いいたします。
詳しくは、下記をご覧下さい。

http://sea-tac.jp/ecotour/costs/

★お知らせ★

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