アカロアは、クライストチャーチから南へ1時間くらいの小さくて美しい街です。ここでは、セッパリイルカのウォッチングツアーとスイミングツアーがあります。
クライストチャーチから行きやすい場所ですし、日本から1週間の日程で(マッコウウォッチングの)カイコウラとアカロアの両方に行けるので、クジライルカ好きにはお勧めのコースです。

1994年12月12日

クライストチャーチのホテルで6時起床。7時にバイキング形式の朝食。8時半、レンタカーでバンクス半島のアカロアに向かう。 快適なドライブで、10時半、港町アカロアに着く。
フランス人が入植して作った町だそうで、いかにものお洒落な雰囲気だ。土産物屋を覗いたりギャラリーに入ったり気ままにぶらついたあと、入り江を眺めながらサンドイッチでランチ。
13時半からCanterbury Catというハーバークルーズ船に乗る。一人NZ$23(予約料金。当日料金はNZ$25)。50人乗りの双胴船で、キャビンには座り心地の良い座席もあり、舳先と2階にオープンデッキがある。
デッキに出ていると、南から吹き付ける風が冷たい。この先には南極があるのだと、つくづく思う。私たちは厚手のジャケットをしっかり着込んでいる。
船長のガイダンスを聞きながらしばらく走ると、数頭のイルカが寄ってきてバウライディングする。珍しい背ビレのセッパリイルカだ。歓声が上がり、皆、舳先に集まってくる。セッパリイルカは、白い体色に黒い顔をしていて、黒くて丸い背ビレが目立つ。初めて見る丸い背ビレは、妙に愛らしい。
イルカたちは船首波に乗りながら、時々ひっくり返ってこちらを見上げている。思わず、イルカに声をかけてしまう。彼らは、手が届きそうなすぐ下の海面を右へ左へと行ったり来たりしている。
しばらく船と併走してやがて離れて行くが、また別のセッパリイルカたちが船に向かってくる。こうしていくつかの群がやってきては、ひとしきりバウライディングを楽しむ。
あちこちの岩壁にはにペンギンのような鳥もとまっている。崖に挟まれた小さな浜には羊が1頭いて、船長は、「崖を上がれない羊がもう5年もここに取り残されている」と説明する(本当なのかジョークなのか、はっきりせず)。
アカロア湾の中をぐるっと一周して、養魚場に近付く。海の一郭を区切って幾つも網が並び、その中に魚がいる。養魚場の人が出てきて、餌を撒き始める。バケツから餌を撒くたびに、魚たちが群がってばしゃばしゃと大きな水しぶきが上がる。
この養魚場ウォッチを最後に、2時間ほどのクルーズを終えて、15時半帰港。
ひとしきり町中を散策してから、 16時半、アカロアを離れてクライストチャーチへの帰途につく。