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ケベック州のタドサックという街は、大西洋へ続くセントローレンス川のほとりにあります。
川と言っても、海水で、ここには、一年中、ベルーガ(シロイルカ)が生息しています。また、ときには、大西洋から訪れるシロナガスクジラやザトウクジラなども見られるそうです。

2010年05月22日
5月下旬、そんな川でのホエールウォッチングに行ってきました。
3w_tad_1タドサックやその近くの街では、2〜3時間のウォッチツアーが日に何度も行われてます。数百人も乗れる大型船から、20人乗りほどのゾディアックボートまで、いろいろあります。どのボートも、ケベックからの大勢の観光客を乗せてます。波もないので、船酔いの心配もなさそうです。
私たちは、小さいボートの方が好みなので、なるべく定員の少ないゾディアックでのツアーを選んで、数回参加してみました。
どのツアーでも、暖かい上着と滑らない靴を強く薦めてました。このタイプのボートで走ると、それはそれは寒く感じるものです。レンタルしてくれる防水ジャケットと防水オーバーズボンの下にも、しっかり着込みました。靴も、もちろん、ゴアテックスです。
いよいよツアーが始まります。20〜30人の乗客に、スキッパーがひとりです。
かなり川幅があるセントローレンス川で、果たしてクジラたちに会えるのかとちょっと心配だったのですが、やや緑がかった3w_tad_2水面で白いベルーガは見つけやすいです。ツアーでは、じきにあちらこちらで姿を見られます。1頭でいたり3頭でいたり、10頭くらいまとまっていたりします。
ボートは、ゆっくりベルーガに近付きます。ベルーガは、何回か呼吸をしては、三角の背中を出して潜っていきます。丸い頭の先や、尾ビレを見せてくれることもあります。
一度のツアーで、数群のベルーガをウォッチできました。ほぼ100%の遭遇率でしょう。どれくらいの距離で見られるかはそのときのベルーガ次第ですが、それなりに近いところで見られてます。
あるとき、エンジンを止めてぷかぷか浮いていたら、ベルーガのほうから近付いて来ちゃいました。立ち上がって縁から覗くと、水面下に白い全身がはっきり見えます。特徴的な丸い頭をちょっともたげて、こちらの様子を見ています。
うわ、と驚き喜んでるうちにベルーガはすーっと離れてしまいましたが、またすぐ、次のベルーガが寄ってきます。このときは、たまたまだったのでしょうが、次々と5〜6頭のベルーガがボートウォッチにやってきました。
3w_tad_3ベルーガ以外にも、ミンククジラに会いました。ナガスクジラやザトウクジラよりも小柄なミンクですが、目線の低いゴムボートから見るとそれなりに大きいです。
黒い体表が、日射しを受けてキラキラと輝きます。頭も胴も、実にスマートできれいです。ボートの近くを滑るように泳いでは、静かに潜っていきます。ボートの下をくぐっていく全身が、水面下に見えたこともありました。
かと思うと、採餌中のミンククジラは、それはそれは攻撃的な動きでした。頭を突き出すように勢いよく水面に飛び出てきたり、方向を変えて猛スピードで泳ぎ回ったり、力強く尾を振り回したり。いつもの穏やかで地味なイメージとは全く違う激しさで、ミンククジラの印象が一変しました。
ツアーでは、この他にも、ひょうきんな動きのアザラシを見られたり、フィヨルドに寄ったりもします。

実は、タドサックでは、わざわざボートに乗らなくても、それこそ川岸からもベルーガが容易に見られます。
泊まったホテルの庭にあるベンチに座ると、すぐ目の前の川でウォッチングツアーをしています。そのさまを眺めながらのんびり楽しむランチは、格別でした。何よりも、朝、ホテルの部屋で目覚めてすぐ窓の外を覗くと、そこにベルーガやミンクが見られるのが、最高でした。パジャマのままでホエールウォッチできるとは、なんて贅沢なのでしょう。
ケベック州は食事も評判ですが、確かにどのレストランもとても美味しかったです。小さな美しい街での余裕あるウォッチの日々は、とても楽しいものでした。
次に訪れるときは、ボートを借りて、一日中のんびり川面を漂っていたいなぁ。
とても居心地のいい街と川でした。