朝方の雨が上がり、ほっとしながら出港しました。

南島へ向かっていたら、小港沖にブローを見つけました。
親子とエスコートの3頭が、停まった船の前を横切っていきます。
そのまま、揃って沖へ向かいました。
ちょっとお急ぎモードのようなので、追うのはやめましょう。

扇池から泳げるかと思っていたのに、走るほどに風が強く、うねりが出てきます。
二本岩あたりから、周りはうねりだらけになりました。
浅根もないのに、波が巻き上がり、サーファーの喜びそうなチューブができています。
とても南島に近付けず、諦めて引き返しました。

さあ、それでは仕切り直して、クジラを探しましょう。
白い雲を背景にしてブローが見つけにくく、むしろ海面に出る黒い体の方が見つけやすいです。
そんな黒い体が、西島の南にありました。
3頭のザトウクジラです。
今年生まれの子クジラと母クジラ、付き添っているエスコートクジラです。

波の中を泳いでいくうちに、子クジラがブリーチを始めました。
いっそう高いしぶきを上げて、楽しそうに飛んでいます。

しばらく元気な子クジラを見てから、兄島海域公園へ走りました。
折しも降り出した雨ですが、泳ぐのには問題ありません。
お昼を召し上がってから、ずいぶん長い時間泳いでらっしゃいました。

瓢箪島の北にも、親子とエスコートの3頭がいました。
午前の子クジラとは違い、まだ小さい子です。
プハッと浮上して来ては、ふらふらと泳ぎ回っています。
オトナたちが、その子をかばうようにゆっくり横を泳いでいます。

西島かなり沖で、元気な子クジラがいました。
いかにも子クジラらしい、尾ビレの先まで出るブリーチです。
皆さま、歓声を上げて舳先に集まりました。

子クジラは、うねりの中で跳び続けます。
右へ跳んだり、左へ跳んだり、仰向けになったり、胸ビレを振り回したり。

オトナたちも、波に揺られながらブローを見せます。
そんなオトナの様子には無頓着に、子クジラは跳んでいました。

これだけ沖に来たせいか、コアホウドリが姿を見せました。
聟島で繁殖している珍しいトリです。
さあ、けっこう遠くまで来てしまったから、このあたりで帰りましょう。

うねりに雨という、決してグッドコンディションとは言えない中で、クジラたちとの遭遇コンディションはグッドでした。