アメリカ西海岸とカナダとの境にあるピュージェット湾には、80頭のシャチが定住しているそうです。中でも、サンファンアイランドの西側はシャチ街道として知られ、周辺のいくつかの街からウォッチングツアーが出ています。
2001年6月にはシアトルからのウォッチングボートに乗りましたが、11月には、カナダのヴィクトリアからのツアーに参加してみました。
2001年11月25日
夏にはひんぱんにウォッチングツアーが出ているらしいが、秋から冬はめったに出ないようで、先週も先々週もツアーはキャンセルだった。今日も半ばあきらめてダウンタウンを散歩していたら、港で見覚えのあるボートが出港準備をしている。さては、と、急いでPrince of Whalesのオフィスに行くと午後のツアーがじきに出港とのこと、早速乗船手続きをする(オフシーズン料金でCA$64 およそ5,200円)。予定外だったので、カメラもサングラスも用意してない。それでも、とにかく乗り込む。
13:00出港。12人乗りの黄色いボートで、スタッフはキャプテンひとり。夏はゾディアック(大型ゴムボート)で出ているはずだけど、これは冬用なのか、キャビン付きのボートで屋根の上にも登れるようになっている。
懐の深い湾内をゆっくり航行してから、湾の外に出ると船は30ノットで走る。凪の海は気持ちよい。あちこちにケルプや流木が浮いている。
しばらく走って、イシイルカを発見する。イルカは近付いてきて、船首波に乗る。乗客は座席の横の窓から顔を出すが、さすがに見づらい。キャプテンが屋根に上がっていいというので、いそいそと動く。屋根は平らで、手すりが付いている。船首の真下にいるイルカは上からでもちょっと見にくいけど、白黒の模様が緑の海にくっきりと見える。4〜5頭のイシイルカで、中にやや細身で灰色がかった1頭がいる。キャプテンがいうには、イシイルカとネズミイルカの混血らしい。
その後、船はシャチを探してサンファンアイランドまで行く。でも、なかなか姿を見つけられない。
Whale Rockという岩場で、ステラシーライオンを見る。岩上のあちこちに寝ている。数頭のシーライオンが泳いでいて、魚をくわえて振り回してるのもいる。アザラシも、丸くて灰色の頭を水面に出している。
そのうち雨もポツポツ降って来て、船はシャチ探しをあきらめたようだ。帰路に向かう。ほど良い揺れが眠気を誘い、乗客は皆、こっくりしてる。
15:00帰港。今日の航行ルートやシャチの話を聞こうとオフィスに行くけど、閉まっていて誰もいない。オフシーズンだからか。
というわけで、目的のシャチは会えずにイシイルカとシーライオンだけだったけど、それなりに楽しんだ。夏には、シャチの遭遇率も90%以上と聞く。ゾディアックに全身スーツを着込んで乗り込むようだから、さぞかし揺れたり濡れたりするだろうと思われるが、それもまた楽しいかもしれない。オンシーズンに再チャレンジしたいと思っている。
なお、ヴィクトリアは居心地の良い美しい街で、私は滞在中にダウンタウンのそばの港でカワウソを、海沿いの歩道からシーライオンを見ている。犬や猫を飼っている人も多く、日曜日の公園にはリードを放された犬たちが散歩していて、その種類の多さは見てるだけでも飽きない。犬好きにもお勧めの街である。