小笠原の水先案内人

vol.38 2015年01月16日配信

Contents  ★新人からのご挨拶★
     ★まさかまさかのオフショアツアー★     
     ★初めまして、ザトウシーズン!★
     ★早生まれのベビーたち★
     ★スノーケリングインストラクター講習★
     ★小笠原DAY 2015★
     ★Tomocolumn 30「夜の訪問者」★
     ★おがさわら丸スケジュール★
     ★「クジラの楽園」★
     ★配信停止のご連絡★

こんにちは、TOMOKOです。
正月の父島は、強い北風に見舞われました。残念ながら、年明けのボートツアーは全て中止となってしまいました。
それでも、年末までは、連日、ザトウクジラやイルカに遭えてましたし、年始も、好天のもとで観光客の方たちは初詣や海開きやフィールドツアーを楽しまれたようです。
今回ツアーへご案内できなかった皆さま、次の機会をお待ちしております。

★新人からのご挨拶★
こんにちは。新人スタッフのNAOMIです。皆さまへのご挨拶は初めてです。お会いしたことがあるかたもないかたも、改めまして、初めまして!!2013年5月にSea-Tacで研修を受け、2014年4月からスタッフとして働いています。
早くも、小笠原に来てから9ヶ月が過ぎました。忙しくも充実した夏を終え、マッコウシーズンの秋も過ぎて、ザトウシーズンの冬を迎えました。長いようであっという間だった9ヶ月で、たくさんのイルカクジラ、お客さまとの出会いに恵まれました。まだまだ未熟ではありますが、これから多くのことを学び、少しずつ少しずつ、けれど確実に、成長していきたいです。
私は、よく「デカイ」といわれます。肝っ玉が、ではなくて、身長が、です。まだお会いしていない皆さま、どれだけデカイのか確かめにいらしてください。お会いしたことがある皆さま、もっとデカくなってないか、チェックにいらしてください。
どうぞ、宜しくお願いいたします。(NAOMI)

★まさかまさかのオフショアツアー★
夏から秋、Sea-Tacでは不定期にオフショアツアーを催行しています。このツアーで遭う可能性が高いのはマッコウクジラですが、その他にも外洋性のマダライルカやハンドウイルカなどと出会うこともあります。
2014年のオフショアツアーでもっとも珍しかった出会いは、「コブハクジラ」でしょう。
マッコウ親子をウォッチしていたとき、反対側を見たとたん、背ビレを発見!!でもでも、マッコウと比べると小さくて、イルカより大きそう。何だろうと思いつつ、キャプテンに伝えました。「ん?」「アカボウクジラかな?」と近づいてみると、なんと、7頭のコブハクジラでした。まさかまさかの珍しい出会いです。
25年間海に出続けて来たMAKOTOさんやTOMOKOさんも、2~3回しか遭遇したことがないそうです。会おうと思って会えるクジラではありません。皆、一気に興奮しました。もちろん私も、この貴重な出会いに大感激でした。
このときのコブハクジラはあまり神経質ではなかったようで、しばらく船と併走してくれました。若い個体は体表がすべすべしていましたが、成熟個体は茶色っぽくて傷だらけです。呼吸のときに、特徴となる口の湾曲も見えます。
こんなふうに、どんなクジライルカに出会えるかわからない、ドキドキのオフショアツアーです。今シーズンは終わりましたが、来シーズンにはステキな出会いをご一緒に体験なさいませんか?(NAOMI)

★初めまして、ザトウシーズン!★
小笠原も冬に入りました。冬と言えば、何を連想されますか? 私は、こたつにみかんと、熱々のお鍋と、お正月のお餅と、食べ物ばかりです。でも新米島民の私でも、小笠原の冬で筆頭にあげるべきは、やはり「ザトウクジラ」でしょう!
夏の間はアリューシャン列島などで採餌しているザトウクジラは、冬になると繁殖のために小笠原に回遊してきます。ザトウクジラの噂が聞こえ始めると、島民は、ああ、冬が来たなと実感するそうです。
そんな小笠原の冬の風物詩であるザトウクジラ、今シーズンは2014年11月13日に父島西沖で初確認されました。お帰りなさい、ザトウさん!会いたかったです! Sea-Tacでは、11月21日のツアーで初めて見つけました。大きな背中に大きな尾びれ、なんといっても、あの大きなブロー音!
これから小笠原に多くのザトウクジラが帰ってきて、たくさんの子クジラが生まれるのでしょう。それぞれとの出会いが今から楽しみでなりません。
私にとっては、そんな彼らを最初から最後まで続けて観察できる、初めてのザトウシーズンです。どのようにこの海に来て、過ごして、そして北へ戻っていくのか、じっくり見届けたいと思います。
ザトウシーズンは始まったばかりです。寒さなんて忘れてしまうほどの素晴らしい出会いに期待しています。(NAOMI)

★早生まれのベビーたち★
12月25日、走る船上から見つけた小さなブローに、まさか?と思いながら近付くと、まさしく、ザトウクジラのベビーでした。
こんな早くにもう生まれてるの、とビックリしました。生まれてから何日経ってるのでしょう、ベビーは母さんクジラにぴったりくっついて泳いでます。母さんと比べると、なんて小さいことか。体色も淡く、背ビレも丸まっています。OWAが認めた、今シーズン初ベビーとなりました。
子クジラはまだ深く潜れず、水深13~20mという浅瀬の水面下に留まっています。初親子を見ようと、無線で知ったボートが次々にやってきました。
その後も、この親子クジラは西側の沿岸で頻繁に目撃されています。まだザトウの少ないこの時期に、ウォッチしやすい親子の存在は有り難いです。
子クジラは順調に成長しているようで、翌週には、なんと、船の前でブリーチも披露してくれました。まだチビのくせに、まぁ、生意気で愛らしいこと!
そういえば、昨シーズンも、思いがけず年末から親子クジラが見られたのでしたっけ。しばらく滝之浦に留まっていたその親子は、揃ってアクティブでした。子クジラはブリーチをしたり船に近付いてきたり、その横で負けずに母さんクジラもスパイホップやブリーチを見せました。タッキーと呼ばれた子クジラとその母さんのおかげで、シーズン初めのウォッチがおおいに盛り上がったのでした。
今年のベビーにも、このあと、名前が付けられるのかしら。じきに、もっとアクティブな姿を見せてくれるかもしれません。その頃には、母さんクジラもお手本を見せてくれるかな。
2年続けて早い時期からベビーが見られてるということは、出産そのものが早まっているのでしょうか。これが特殊な例ではなく、12月のベビーが当たり前になったら嬉しいですね。(TOMOKO)

★スノーケリングインストラクター講習★
10月に、父島でスノーケリングインストラクター講習が行われました。スノーケリングガイドの技術向上を図ろうと、小笠原エコツーリズム協議会と日本スノーケリング連盟の協力で開催されました。
講習では、泳力検定を行ったうえで、3日間かけてスノーケリングやレスキューについて座学と実技を学びました。
検定は、200mクロール、フィンをつけての40m平行潜水、10m垂直潜水などの5科目を、プールと海で行いました。水泳を習っていた頃は200mくらいは容易だと思っていましたが、これだけ続けて泳ぐのは何年ぶりだったでしょう、終わったときはくたびれてしまいました。ツアーでのスノーケリングとは違う、久しぶりの「水泳」でしたが、ガイドにはそれだけの体力を要求されるということでしょう。
講義は夜遅くまでも続き、ハードな日々でした。と同時に、たいへん充実していました。今まで知らなかったこと、知っていたけど改めて深く考えさせられたこと、自分が今できたこと、できなかったこと、いろいろ確認することができました。いっそう、この仕事に対する気持ちも引き締まりました。
これからも皆さまにツアーを安心して安全に、そして楽しんでいただけるよう、日々精進していきます。(NAOMI)

★小笠原DAY 2015★
小笠原ファンの祭典「小笠原DAY 2015」が、1月18日15時から竹芝桟橋客船ターミナルで開催されます。
ちょうど入港するはずのおがさわら丸ドック前便を迎えて、大勢乗っている島民との再会のチャンスでもあります。
小笠原の食材を使ったお料理やお酒の提供もあり、即売も行われるようです。また、ライブステージもあります。
予約は不要ですので、時間に余裕のあるかた、ふらっとお寄り下さい。

   http://k.d.mail-magazine.co.jp/t/e4rh/d04j2lw0cnlpevt7diP8w

★Tomocolumn 30「夜の訪問者」★
以前、我が庭を訪れるアカポッポ(アカガシラカラスバト)のお話をしましたが、訪問してくるのはハトだけではありません。やはり天然記念物であり絶滅危惧種のオガサワラオオコウモリもやってきます。
アカポッポは夜明けや夕暮れどきに現れますけど、コウモリは暗くなってからで、その時間も一定ではありません。なので、姿を見つけるのではなく、その声で来訪を知ります。たいてい数頭でやって来て、ぎゃぁぎゃぁと賑やかに会話しています。その声で、やってきたな、とわかります。様子を伺い、どの木にいるのか、探ります。ああ、今夜はあの木の実がお食事なのね。
ある秋の夜、いつもより近く聞こえるコウモリの声にそっとベランダに出てみました。脅かさないよう、赤いライトを一瞬だけ点けて、コウモリの位置を確かめます。コウモリは、庭のバナナにいました。2階のベランダから手が届きそうな距離です。時期はずれだからと収穫しないでいたバナナの実がお目当てのようです。1頭はどうやらお気に召さなかったのか、じきにいなくなりましたが、1頭はそのまま留まってます。
ベランダの暗がりでじっとしていると、コウモリの立てる音がよく聞こえます。ムシャムシャと食べる音、ペッとカスを捨てる音、ペタッとそれが地面に落ちる音、ガサガサと姿勢を変える音、そしてシャーッとオシッコしてる音。それらを聞きながら、コウモリのさまを想像するのは楽しいです。コウモリウォッチングならぬ、コウモリリスニングです。
このコウモリは食欲旺盛で、小一時間かけてバナナをまるまる一房食べてしまいました。そしてやおら飛び去っていきました。翌朝確かめたら、木の回りにはバナナの黄色い皮が散乱していました。
オガサワラオオコウモリも、20年前は父島では絶滅していて、母島でだけ数頭残っていると考えられていました。今では、むしろ母島で見られなくなり、父島に150頭ほどが生息しているようです。とは言え、まだまだ絶滅が危惧されているコウモリです。家に居ながらにして遭えるなんて贅沢ですね。
この贅沢がずっと続きますように。もっともっとオオコウモリが増えますように。我が家のバナナを全部食べても構わないから、ね。(TOMOKO)

★おがさわら丸スケジュール★
2015年4月から9月までのおがさわら丸運航スケジュールが決まりました。
ゴールデンウイーク・7月下旬から8月中旬まで・シルバーウイークに、着発便が予定されてます。
また、5月には久里浜寄港便が、6月には八丈島寄港便があります。詳しくは、小笠原海運のサイトへ。
どうぞ、お早めに計画を立てて下さいね。

   http://www.ogasawarakaiun.co.jp

★「クジラの楽園」★
先にもご案内した、Sea-Tacの本「クジラの楽園」、おかげさまで大変好評をいただいてます。

  「クジラの楽園」 A5版 144ページ 2000円+税
   http://sea-tac.jp/news/news10.html

父島のSea-Tac事務所のほか、OWAやお土産やさんで販売しています。申し訳ありませんが、一般の書店では入手できません。来島予定がなくて購入ご希望の方は、以下までご連絡下さい。

   book@sea-tac.jp

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