Contents ★年末年始便★
★ピークが早いかも?★
★独りペックスラップ★
★海の中は大混雑★
★おがさわら丸時刻表★
★ライフジャケット着用義務★
★Tomocolumn 37「増えるクジラ」★
★日本クジライルカウォッチング協議会シンポジウム★
★お知らせ★
こんにちは、TOMOKOです。
早くも3月です。冬の冷たく透明な空気から、春らしいぼんやり靄がかった空に変わりました。
水温はまだ低くても、日差しは日ごとに暖かくなっています。
つい油断してしまうのですが、紫外線がもっとも強い頃でもあり、スタッフも日焼けしています。
★年末年始便★
年間でもっとも観光客が多い年末年始は、少し前まではお勧めの時期ではありませんでした。まだザトウクジラも少なく、ドルフィンスイムやスノーケリングには寒く、海が荒れやすい。ツアー欠航率も高くて、よく、町中が行き場のない観光客で賑わっていました。
ところが、近年はザトウクジラが増えて、年末年始にもほぼ見られるようになりました。ウェットスーツ着用も周知されてきて、20℃の水温も苦にならないようです。
というわけで、この年末年始も大勢のお客様がいらっしゃいました。12月31日の2017年最後のツアーと1月1日の2018年最初のツアーは、それぞれクジラやイルカとの出会いも存分に楽しめました。
残念ながら2日は風が強くなり、4mの波でした。ツアーはキャンセルで、スタッフが揃って大神山神社に初詣に行けてしまいました。翌3日午前のツアーは催行できて、3勝1敗という、年末年始としては順当なところでしょうか。
3月の今も、ザトウたちは父島列島の周りでたくさん見られています。もっとも有名なモッチーニも元気な姿を見せてくれました。いつも同様、複数の雄クジラに囲まれてモテモテでした。
ザトウシーズンは5月上旬まで続くはずです。どんなザトウのどんな行動を見られるか、まだまだ楽しみです。(TOMOKO)
★ピークが早いかも?★
例年、ザトウクジラが最も多く見られるのは2~3月と言われています。でも、今年はピークがやや早い気がします。
1月中旬には、すでに父島列島周りのザトウが増えていました。前のクジラを見ていても、他のブロ-が視界に入ってきます。お客様も別のクジラが気になって、集中できないふうです。あちこちにブローが出るので、終いにはどれがどのクジラだかわからなくなります。
1月にしてはクジラが多いなぁ、このぶんだと2月にはどうなるのだろうと思っていたら、おがさわら丸ドック明けの2月中旬には、あれ? ザトウが少なくなった? ピークのはずの2月だけど、あのたくさんいたクジラはどこへ?
もちろん、これはあくまでも個人的な印象です。最終的な結果は、シーズン終わりにOWA(小笠原ホエールウォッチング協会)の報告が出るまではわかりません。
さて、私の印象が合っているのでしょうか。このままザトウの北上も早くなるのか、それとも実は例年通りなのか、注目です。
でもザトウさん、もしも早くに小笠原へ帰っていたとしても、出発はそんなに急がなくていいのよ・・・!(NAOMI)
★独りペックスラップ★
ザトウクジラは、アクティブな行動をとるクジラとして有名です。胸ビレを海面に叩きつけるペックスラップや、尾ビレを叩きつけるテールスラップ、全身で跳ぶブリーチングなど、様々な行動をします。では、なぜ、するのか。他のクジラへの示威や威嚇、寄生虫を落とすため、単なる遊び、いろいろな説があります。実のところはわかりませんが、私たちはその時々のザトウの様子に想像力を働かせます。活発な行動は交尾集団でよく見られますけど、単独で行われることもあります。
某日、湾口でペックスラップを繰り返すクジラがいました。連れのクジラにアッピールしているわけではなく、たった1頭だけでいます。
右胸ビレでスラップをしていたのが、次には、向きを変えて左胸ビレで叩きます。それから今度は、海面に仰向けになって、両胸ビレを空中に振り回しました。ザトウ特有の長くしなやかな胸ビレが宙を舞い、目の前で振り下ろされます。そのたびに、大きな音が響きます。
私たちウォッチャーは、小一時間にもわたるこのクジラの派手なパフォーマンスを、それぞれカメラやビデオを構えたり、携帯を取り出したり、自分の目に焼き付けたり、大いに楽しみました。
でも、このクジラは、いったい、誰に何をそんなに訴えたかったのでしょう。自分はここにいるよと遠くにいる異性へ伝えている? 誰も来ない(モテない?)ので苛立ってた? はたまた、ただ身体を動かしたかっただけ?
こんなに長い時間ひとりでスラップしてたなんて、ぜひともその理由を聞いてみたかったところです。(NAOMI)
★海の中は大混雑★
小笠原海域には、毎シーズン700~1000頭ものザトウクジラが回遊してくるといわれています。冬から春にかけての半年間にそれほどのクジラが集まれば、さぞ海の中は混み合っていることでしょう。クジラ同士がすれ違うことも多いでしょうね。この海には、クジラだけではなくイルカもいるのですから、なおさらです。
某日、ハシナガイルカをウォッチしていたら、いきなり、並ぶ背ビレの間からザトウクジラのブローが上がりました。思いがけない出来事に、見ていた私たちはびっくりです。どうやら、イルカの群が泳いでいるうちにザトウと一緒になったようです。
ハシナガのほうはこの遭遇を面白がってるらしく、大きなザトウの右へ左へと身軽に動きます。クジラの顔のすぐ前へ回り込むイルカもいました。ザトウにとってはちょろちょろするイルカが目障りらしく、次第に鼻息(ブロー息)が荒くなりました。やがて、もう、イヤ!(?)とペダンクルをぐっと上げて、逃げるように潜っていきました。
残されたハシナガたちが、なあんだ、ちぇっ、と、このザトウから離れて泳ぎだしたと思ったら、今度は別のザトウに向かっていきました。またも、クジラにまとわりついてます。こちらのザトウも、やはり小さいイルカをうるさがってるようです。
イルカにとっては、この時期にだけ見られる巨体が珍しいのでしょう。体の大きい仲間と仲良く遊んでるつもりなのか、その(イルカから比べれば)鈍い動きをからかっているのか。
時に、我慢の限界を超えて(?)イルカに対してクジラが尾ビレや胸ビレを振り回すこともあります。ウォッチしている私たちには楽しめる光景ですけど、クジラにとっては海の中の大混雑は迷惑なのかもしれません。(NAOMI)
★おがさわら丸時刻表★
2018年4月以降のおがさわら丸時刻表が公開されました。
これまでは半年分ずつ発表されていたのですが、今回は12月までまとめてです。少しでも早く予定を立てられるのは有り難いですね。
久里浜寄港便・館山寄港便・八丈寄港便・大島寄港便の設定もあります。それぞれのお近くにお住まいのかたにとっては、より便利でしょう。但し、父島と東京の入港予定時刻が少し遅くなります。また、当日の海況によっては寄港中止になる可能性もあるので、ご注意ください。
人気の硫黄島3島クルーズや西之島クルーズもありますし、小笠原諸島返還50周年事業として沖ノ鳥島クルーズもあります。いずれも、訪れる機会の少ない島々です。
12月のクリスマス便は、いつもの「おが丸サンタ」以外に、船内でイベントも予定しているそうです。
詳しくは、小笠原海運のサイトをご覧下さい。早い時刻表公開を上手く利用して、早めに計画を立てて下さい。
http://www.ogasawarakaiun.co.jp
(TOMOKO)
★ライフジャケット着用義務★
2018年2月1日から、ライフジャケット着用義務が拡大されました。小型船舶に乗る場合は必ず着用しなくてはならず、ツアーも例外ではありません。
ツアー中にスノーケリングされるときは、そのまま着用されても脱がれても構いません。但し、船上に戻った時点で、再度着ていただきます。
ご面倒とは思いますが、法令で決まったことですので、ご理解の上、遵守を宜しくお願いします。
★Tomocolumn 37「増えるクジラ」★
近年、あきらかにザトウクジラは増えています。ある調査によると、世界でのザトウの数は、年5%増だそうです。
小笠原でもやはり以前より増えていると感じます。Sea-Tacを開業した25年前にはあれほどザトウを見つけるのに苦労したのに、今ではピーク時にクジラを見ずに南島や兄島海域公園へ走ることはできません。おかげで、おとなしいクジラや呼吸間隔が長いクジラをスルーして、アクティブなクジラを選んで見る、なんて贅沢なこともできます。ウォッチング環境としてはより恵まれてきています。
いっぽう、日本のあちこちでザトウの座礁事例が報告されるようになりました。2001年には3例ほどだったのに、2015年には22例にものぼってます。
座礁するクジラの特徴としては、8mほどの1歳仔が多いです。北の海から母クジラと共に南下してる途中、何らかの理由ではぐれてしまったのでしょうか。夏を越えて大きく育った子クジラに、同行しているはずの母クジラの目配りも甘くなってるのかもしれません。それとも、ワカモノらしく、好奇心旺盛にひとりで泳ぎ回って、迷ってしまったのでしょうか。
漂着と同じくらいに混獲も起きています。漁網に絡まって死んでしまったクジラの姿はなんと哀しいことでしょう。経験が少ない未熟なクジラは、警戒心も薄いのかしら。絡まったクジラを見つけた段階では生きていても、そのあと無事に解放までいく例はほとんどありません。なんとか助けたかったところですけど。
最近、座礁や混獲が確認されているのは、ザトウに限りません。コククジラやセミクジラの例もあります。どちらも、まだ生息域や生態が全く分かっていない、日本近海ではたいへん稀少なクジラです。生きてる姿を見ることすら稀なクジラの死亡報告を聞くと、無念でなりません。
ザトウが増えたとは言っても、それでもまだ捕鯨以前の数には戻っていません。ようやく、絶滅危惧種の指定を外す海域もでてきたという程度です。
ヒトによる海域への進出が著しい昨今、この先、ヒトとの共棲がより難しくなる場面もあるかもしれません。でも、本来は陸の生きものであるヒトは、海においてはクジラたちに少し譲るべきかもしれません。一頭でも多くのクジラが、座礁や混獲ではなく、その一生を海で全うできるようにと願ってます。(TOMOKO)
★日本クジライルカウォッチング協議会シンポジウム★
1988年に日本初のホエールウォッチングが小笠原で開催されてから、30年が過ぎました。今では、各地でクジラやイルカを対象にしたツアーが行われています。
ウォッチツアーがクジライルカの生息環境へ悪影響を及ぼさないよう、参加者の安全にも配慮するよう、互いに情報を交換してより良いツアーを催行しようと、2014年、日本クジライルカウォッチング協議会(JWDC)が設立されました。参加してるのは、知床・御蔵・能登・大方・奄美・座間味・小笠原などの事業者及び事業団体です。
今年5月に、第2回JWDCシンポジウムを開催します。各地のクジラ情報を報告し、現時点での課題を話し合います。ここでしか聞けない現地の最新情報が盛りだくさんで、ご質問もお受けする予定です。
クジライルカに興味のあるかたはどなたでも参加いただけます。詳細は、このあと随時サイトにアップされますので、どうぞご覧下さい。(TOMOKO)
日時 2018年5月19日(土)
13時~16時30分
場所 東京 竹芝 島嶼会館 2F会議室(東京都港区海岸1-4-15)
参加費 500円
予約問い合わせ 大方ホエールウォッチング(高知県黒潮町)
Tel.0880-43-1058 kujira@sunabi.com 担当・大迫
主催 日本クジライルカウォッチング協議会
http://jwdc2014.wixsite.com/jwdc
★お知らせ★
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宜しくお願いします。
info@sea-tac.jp