ベビーを悼む

台風のうねりが残る中、リピーターさんばかりのツアーです。

まずは南島の西でイルカを探しました。
走るほどにうねりが大きくなるので、引き返し始めたら、情報が入りました。
さっそく、小港沖のミナミハンドウイルカへ向かいます。

すでに他船がスイムしているのを、順番待ちして、水中へ。
4頭がまとまってまっすぐ来ます。
白砂の海底を背景にしたイルカたちがキレイです。

遊びモードではないようで、すーっと横や下を通過していきました。
やや動きが早く、じきに南島瀬戸の大波の向こうへ行ってしまいました。

滝之浦で、ハシナガイルカを見つけました。
潜りがちではあるけど、それでも舳先からよく見えます。

中に、まだ小さいベビーハシナガもいました。
母さんに合わせて、跳び上がるように浮上してきます。
ずいぶん小さいベビーです。
元気に育ってね。

キャベツビーチでランチとスノーケリングにしました。
曇り空からは小雨が降ってきました。

午後は、弟島の西を孫島まで上がりました。
でも、イルカの背ビレは見つけられません。
瓢箪島でスノーケリングとアフタヌーンティにしましょう。
ちょっと深いポイントで、ナンヨウカイワリも見られました。
浅瀬に行くと、サカナも多いです。

再度、南島の西へ走りました。
雲で覆われた空は白く、海も灰色がかってます。
潮が変わって波も小さくなったかと期待したのですが、やはり万蔵沖でUターン。
ほぼ諦めかけたところで、背ビレです！　イルカを見つけました！

海に入ると、9頭のミナミハンドウイルカがやって来ました。
透明度の良い青の中で、イルカたちがヒトと絡んでくれます。
きゃぁ、楽しい。

ライティがいました。
4日前にベビーを連れていたのに、ああ、残念、ベビーは死んでしまったようです。
ライティは、死んだベビーの胸ビレをくわえたまま泳いでいます。
実の子の死を悼んで離せずにいるのか、それとも、他の子を連れ回した遊びの続きなのかは、わかりません。

そのライティたちを撮ろうと近付くと、間に、別のイルカが勢いよく入ってきます。
私を近づけまいと、激しい勢いでぐるぐる回って妨害します。
ライティたちを守ってるのでしょうか

やがて、イルカたちはうねりの先へ去って行きました。
個体識別しやすいベビーだったので、これからの成長をつぶさに見られるかと楽しみにしていたのに。

イルカと遊べて良かったけど、ベビーを悼む気持ちを抱きながらの帰港でした。