海は、昨日よりもっと穏やかになりました。
分厚かった雲も退き、今日は晴れそうです。

桟橋を離れてガイダンスを始めたとたん、イルカの情報が入りました。
大事なところだけをかいつまんで説明し、早速、そちらに向かいます。

2016_12_26_1ウェザー下に、5頭のミナミハンドウイルカです。
先に4隻以上の船がいたので、順番待ちをしてから、スイム開始です。
エントリーすると、ジョーと呼んでいるクチバシにキズがあるイルカが寄ってきました。
いつもフレンドリーなジョー、今日もクルクルとたっぷり回ります。

2016_12_26_2こちらを見上げて、遊んでとおねだりをされているみたいです。
もちろん、と、こちらも潜って絡みます。
ジョー以外にヤングが回ってくれるときもありました。
フレンドリーな群れのおかげで、ビギナーさんもお子様も近くでイルカを観察できました。

2016_12_26_4ドルフィンスイムのあとは、南島へ向かいます。
扇池は、たまに大きな波が起こるときもありますが、タイミングをみれば問題ありません。
上陸するのは、真っ白なサンゴダストの浜です。
まだ誰も上陸してなく、足跡も人影もありませんでした。
浜の端にある断層にはヒロベソカタマイマイの殻が露出していますが、砂上にはほとんど落ちていません。
風が強い日が続いたので、砂に埋もれてしまったのでしょうか。

2016_12_26_3晴れているので、景色も一段とキレイです。
東尾根からは、扇池の向こうにクジラのブローも見えました。
この時期ならではの光景です。

2016_12_26_5船に戻り、ジニー・ジョンビーチを覗いてから北上します。
小港沖で、ハシナガイルカを見つけました。
頭数はどれくらいいるでしょうか。
少なくとも100頭以上で、2~3に分かれた群れが交互に浮上してきます。
ずいぶん広がっているようで、舳先で潜ったと思ったら、船の後ろに現れます。

2016_12_26_6舳先すぐ近くにもやってきました。
一斉に海面に現れるくるさまに、見とれてしまいます。
ミナミハンドウとは違う、シャープなハシナガイルカたちの姿をご覧いただきました。

午前が盛りだくさんで少し遅くなりましたが、キャベツビーチに停まりました。
ここで待ちに待ったお昼と、スノーケリングタイムです。
大人たちが泳いでいる間、お子様たちはアッパーデッキから元気に飛び込みです。

午後は、滝之浦へ行きます。
今やガイドたちの人気者、タッキーママとその子のザトウクジラウォッチングです。

2016_12_26_7今日の子クジラは、昨日とは違ってアクティブです。
タッキーママが潜っている間、水面で尾ビレや胸ビレを出して遊んでいます。
まだ尾ビレをしっかり上げられないため、テールスラップもままなりません。
たまに上手くいったと思っても、1~2回続けるのがやっとです。
尾ビレそのものも薄い灰色で、生まれたばかりの子クジラらしい特徴です。

2016_12_26_8テールスラップ(もどき)に飽きたら、今度はペックスラップ(もどき)を始めます。
身体を仰向けにして、胸ビレをぷらーんぷらーん。長い胸ビレも、まだ柔らかくて、よくしなります。
タッキーママは、ひとり遊びの横で、我関せず、休憩中です。

2016_12_26_9この親子から離れ、バラ沈に停まろうとしたら、後ろで子クジラがジャンプをしました。
急いで、親子の元へ戻ります。
身体の半分ほどをどうにか出してのブリーチングは、疲れたのか飽きたのか数回で終わりました。
でも、やっぱり兄・タッキーと同じ気質なのでしょう、活発で元気な子クジラです。

改めて、バラ沈に船を停めます。
いつもだったら、ここでスノーケリングタイムになるのですが、皆さまのんびり船上でアフタヌーンティータイムです。
今日会ったイルカやクジラの話に花が咲きます。

日が傾いて涼しくなった中をとびうお桟橋へ帰港しました。

冬の小笠原のスターであるザトウクジラと、ミナミハンドウイルカ・ハシナガイルカと、3鯨種に会えた1日となりました。
滝之浦の子クジラも、タッキーに似た行動で、血筋はやはり争えないようです。
これからも私たちウォッチャーを楽しませてね。(NAOMI)