厚く立ちこめる雲に、ときたま小雨もぱらつきます。
水不足の小笠原へも、いよいよ梅雨前線が伸びてきたようです。
湾を出てすぐ、ハシナガイルカです。
50頭ほどの群れでしょうか。
船の周りを行ったり来たり、ゆっくりしていました。
舳先まで寄ってくると、彼らの噴気孔がよくわかります。
岸近くの穏やかな海域で休息モードのハシナガたちでした。
南に船を走らせて、まさに南島へ上陸しようとしたところに、イルカの情報が入りました。
ミナミハンドウイルカが近くにいるとのことで、まずはそちらを優先させます。
南丸根の近くに、5頭のイルカたちです。
海況はあいにくの波ですが、入ってみるとイルカたちが近付いてきます。
通り過ぎたと思っても、また戻ってきて、遊んでくれるイルカもいました。
イルカたちはヒトに興味津津のようです。
海面はバシャバシャでもイルカは良いですね、などと話して2度目のエントリーをすると、イルカたち素通りです。
もう、先の1回で、ヒトウォッチは満足したご様子です。
そっけなく潜ってしまうこともありましたけど、サンゴダスト背景のイルカの姿は美しかったです。
先ほど行き損ねた南島に、今度こそ上陸しましょう。
アーチの下には、たくさんのネムリブカが寝ていました。
ちょうど扇池に誰もいなくて、私たちだけの貸し切りです。
砂浜には、以前より、アオウミガメの産卵巣が増えていました。
船に戻り、ジニービーチ・ジョンビーチを眺めます。
兄島海域公園でランチとスノーケリングタイムを取りました。
水温はやや低めですけど、サカナとサンゴの多さはピカイチです。
午後は、兄島を北上しようとしたところに、イルカの情報が入りました。
二見湾沖に向かいますが、到着する前に見失ったとのこと。
イルカを探しながら、船を走らせます。
なかなか見つけられず、そのまま西島を回り込むと、ハシナガイルカです。
探していた群れはここまで来ていたのでしょうか。
100頭ほどのイルカがずいぶん広がっています。
ジャンプもしたり波に乗ったりと活発な動きで、早い速度で北に移動しています。
舳先にも寄ってくるけど、かと思うと、さっさと離れていってしまいます。
ハシナガイルカは、日中は沿岸域で休憩し、午後遅くになるとアクティブになって、夜間には沖でエサを獲る、そんな日周性があります。
彼らもこれから沖に向かうところなのでしょう。
最後に、滝之浦のバラ沈で沈没船スノーケリングとティーブレイクをとり、帰港しました。
今日は、ミナミハンドウイルカを水中の間近で見られましたし、ハシナガイルカの午前と午後の行動の違いを観察できた,興味深い1日でした。(NAOMI)