台風3号が南の海上にあります。
でも、当初の予報より離れたコースで去りそうで、危ぶんでいたほど海は悪くなっていません。
雨マークも曇りマークに変わりました。
さて、今日の天気はどうなるでしょう。
出港して湾を出ると、沖に船が集まっています。
親子クジラがいるようです。
子クジラが頻繁に出てきて、それを追うように母クジラも姿を現します。
1〜2ヶ月前より、子クジラのシルエットは大きくなり、成長しているのが感じられます。
ウォッチングしていると、突然、クジラの巨体が舞い上がりました。
アダルトが身体をひねりながらの特大ブリーチングです。
思わず声を上げ、その光景を見つめます。
その後もヘッドライズを繰り返し、船上を沸かしてくれました。
このアクティブなのは誰?と訝しんだら、親子にエスコートが付いていたようです。
母クジラに対して、熱烈なアッピールです。
落ち着いたかと思ったのに、次は尾柄を持ち上げてペダンクルスラップ。
朝一番から大興奮な出会いとなりました。
空を厚く覆っていた雲が退き、晴れ間が出てきました。
南島を覗くと、波は少しありますが、上陸できそうです。
扇池に泳いだら、誰も居ません。
サメ池側が荒れているため、私たちだけの貸切です。
太陽を浴びて輝く南島をご案内できました。
その間、上陸されないかたたちでさっきのクジラに戻りました。
エスコートは、無視している母クジラに焦れたのか(?)、超特大のスラップを披露しました。
大きく上がる白い水しぶきに、黒いペダンクルが見えません。
クジラの近くに小さい背ビレが上がりました。
ミナミハンドウイルカです。
4頭のイルカは、ひとしきりクジラをからかったあと、船に寄ってきました。
波に乗って遊んでいます。
皆さま、舳先からそんなイルカを眺めて、喜んでらっしゃいました。
南島上陸組をピックアップし、ジニージョンビーチを眺めました。
兄島海域公園まで行き、ランチとスノーケリング休憩です。
ほとんどのかたが昨日のレッスンツアーに参加されたので、上手に泳いでらっしゃいます。
たくさんのサカナに囲まれたお子さまがたのお喋りで、海上が賑やかでした。
午後は、兄島弟島を北上して、黒浜でUターンします。
西島の手前でブローを見つけました。
呼吸が13分間隔の2頭のクジラです。
海が荒れている北へ泳いでいくので、追うのは止めて、別のクジラを探しましょう。
タコ岩にも、2頭のクジラがいました。
ゆっくり北上していきます。
そろそろ、夏場の採餌海域に向かって移動を開始するクジラもいる頃です。
もしかしたら、彼らも帰り支度を始めてるのかもしれません。
ブローを繰り返したあと、フルークを高く上げて潜っていきました。
西島の南には、親子クジラです。
このクジラたちは、休息モードで方向が定まりません。
面倒見が良い母クジラは、あちこちを向く子クジラにぴったり寄り添っています。
船にも正面から近寄ってきてくれました。
大きな背中が小さな背中をかばうような佇まいに、慈愛を感じました。
並んだまま、母クジラはお手本のようなフルークアップを見せてくれました。
ドルフィンスイムは叶いませんでしたが、朝から多くのクジラに出会えました。
雨も降らず、肝心なところでは晴れ間も出てくるラッキーな一日になりました。
やっぱり、小笠原の天気予報は当たらないようです。(NAOMI)