南からのうねりが届き始めていますが、まだたいしたことはありません。

二見湾を出てすぐに、ハシナガイルカに遭いました。
小港沖でゆっくりしています。
すっかり休息モードのようで、海面で呼吸を繰り返しては、すーっと潜っていきます。

晴れているので、体表が輝いて見えます。
穏やかな海面下に、水中を泳ぐ姿もくっきり見えます。
イルカの群れに、他の船からもしきりに黄色い歓声が上がっていました。

南島の周りを、イルカを捜しながら走りました。
ハートロックを背景に記念写真を撮り、また西へ戻ったところへ、イルカ情報です。
南丸根で水中に入ると、そこはイルカだらけでした!

次から次へとミナミハンドウたちがやって来ます。
どこを見たらいいか、どのイルカに近付いたらいいか、迷ってしまいます。
水中で慌てているうちに、群れは通り過ぎていきました。

親子も多く、胎児線の残るベビーもいました。
母イルカがしっかりベビーをかばって泳いでいます。
もう少し大きくなったら、一緒に泳ごうね。

たっぷり泳いでから、ジョン沖でランチにしました。
お昼には早めの時間ですが、さすがに体力を使ったのでしょうか、皆さま、食欲旺盛です。
召し上がったあとは、スノーケリングをしましょう。
テーブルサンゴの下のアカマツカサやノコギリダイ、コショウダイの群れが目を引きます。

午後は、外洋域へ走りました。
水深1000mラインを越えたところで、そろそろ水中マイクを入れようとしたら、あら、ブローです!
斜めに上がるブロー、まさしくマッコウクジラです!

一気にテンションが上がりました。
マッコウクジラは力強いブローを繰り返しています。
丸い頭や皺がよっている体表、低めに盛り上がった背ビレが、海上に見え隠れします。

数十回もブローをしてから、やおら高く尾ビレを上げます。
そして、マッコウは深海目指して潜っていきました。
潜ったあとの海面は茶色に濁っています。
どうやら、潜る直前にウンチをしたようですね。

改めて水中マイクを入れて、他のマッコウのいる方向を探りました。
ここかと思うあたりを捜しては、ブローを見つけて、ウォッチします。
しばらく続けてから、クールダウンを兼ねて、水中へ入りました。
青一色の中を潜っていって耳を澄ませると、遠くからマッコウのクリック音が聞こえてきました。
この海域ならではの、不思議なスノーケリング体験です。

また別のマッコウのフルークアップまで見届けて、帰港しました。

シナガイルカとミナミハンドウイルカ、そしてマッコウクジラと、3種に会えた一日でした。
「とっても楽しかったです!!」と、下船されたときの皆さまの笑顔も輝いていました。