昨日に引き続き、島周りのあちこちにガスが発生しています。
けれど、沖に目をやると青空が広がり、夏の気配が感じられました。

今日は今年初めてのマッコウウォッチングツアーです。
マッコウクジラに出会えるか、ほかにどんな出会いがあるか、わくわくしながらの出港です。

まずは二見湾を出て南に回り、外洋域へ船を走らせましょう。
…と思ったら、父島の南側、ハートロックの前あたりまで来たところで、近くにイルカがいると情報が入りました。
せっかくのスイムのチャンスですもの、急いで回れ右をして向かいます。

昨日出会ったのと同じ、7頭のミナミハンドウイルカの群れです。
お客様も昨日同じ群れにエントリーしていらしたとのことで、偶然の再会を喜んでらっしゃいました。
この広い海の中、2度目の出会いがあるのは嬉しいことですね。

イルカたちはゆっくり泳いでいます。
エントリーすると、こちらに向けてまっすぐ泳いできます。
すぐ近くを通り過ぎていってくれるので、1頭1頭身体の傷跡や背ビレの欠けなどに違いがあるのが分かります。
(水中カメラ修理中のため、イメージ写真です)

何度かエントリーしているうちに、イルカたちは波乗りを始めました。
動きが早くなってしまうと、私たちには彼らに追いつくことができません。
そろそろこのイルカたちとは別れて、外洋を目指しましょう。

水深1000mラインを越えると、海が青さを増して目に沁みるほどです。
水中マイクを入れながら船を走らせましたが、マッコウクジラのクリック音は聞こえてきません。
残念ながら、5回目で諦めました。

父島へ戻る道中、突然右舷に白っぽい頭が浮かび上がりました。
アカボウクジラです!
体長7mくらいの中型のクジラで、外洋の深海域に生息しています。
警戒心が強い種類なので、驚かせないよう、操船も慎重になります。

波の間に見え隠れする姿には、丸い傷跡が多くあります。
呼吸を繰り返したあと、尾ビレを上げずに潜っていき、深みへと姿を消しました。
なかなか見られない種類のクジラとの、ラッキーな出会いでした。

沿岸域に戻って、中海岸でランチとスノーケル休憩を取りましょう。
雨の影響か、岸の岩場に小さな滝ができていました。

この辺りでは今の時期、マンタの姿が多く見られます。
午後、船を動かし始めると、他の船がマンタウォッチングをしていました。
私たちは水中に入ってみることにしましょう。

マンタは、ヒトを嫌がらずにまっすぐ進んできて、下を通過していきます。
大きな身体の優雅な動きを間近でご覧いただくことができました。

北へ船を走らせて、兄島海域公園のキャベツビーチでシュノーケルタイムです。
カラフルなサカナやサンゴに歓声が上がります。

兄島の西側をぐるりと回り、まだガスに包まれた三日月山を見上げながら帰港しました。
お目当てのマッコウには会えなかったけれど、外洋の青い海を悠々と泳ぐアカボウクジラとの出会いが印象的な一日でした。(KOKORO)