おがさわら丸のドック期間が明け、約1ヶ月ぶりのボートツアーです。
青空が広がり、船上も真冬とは思えないぽかぽか陽気です。

出港すると、湾口にいるクジラに船が集まっています。
早速わたしたちもウォッチングに加わりましょう。
親子に、エスコートと呼ばれるオトナのクジラが2頭付き添っています。

クジラたちの動きはゆっくりで、行ったり来たりを繰り返します。
エスコートも、親子を追い回すこともなく、のんびりと近くを泳いでいます。
母クジラは、各船のすぐ近くまで順番に寄ってきては、頭を出して船を見つめていました。

子クジラがお母さんの頭の上に乗って遊んでいます。
ころころ転がってみたり、仰向けになってお腹を海面に出してみたり。
愛らしい動きと親子の絆に、ウォッチングしているわたしたちも思わず顔が綻びます。

たっぷりウォッチングをしたので、そろそろ離れましょう。
・・・と思ったら、烏帽子岩の前で別の子クジラがジャンプしました!
慌ててUターンです。
ホエールウォッチングの際、船が離れかけるとクジラたちの動きが活発になることはよくあります。
名残惜しいやら見逃したくないやらで、去り際はいつもなかなか目が離せません。

子クジラだけでなく、母クジラもブリーチを見せてくれました。
大きな身体が宙を舞うと、さすがの迫力です。
この親子にもエスコートが3頭付いています。
先ほどの群れの様子とは随分違うアグレッシブな動きで、親子を追いかけていました。

南へ向かい、扇池のアーチの下を泳いで南島に上陸しました。
青い空と青い海に、白砂が美しく映えます。
東尾根に登ると、どちらを向いても絶景が広がっています。

兄島海域公園のキャベツビーチでお昼休憩にしましょう。
透明度が良く、船上からでもサカナやサンゴがはっきり見えます。
スノーケリングの経験が浅い方も、ここでなら落ち着いて楽しめます。

人丸島のそばの、オトナのクジラ2頭がアクティブなようです。
午後はこのクジラたちのウォッチングから始めましょう。
逞しい尾ビレで海面を何度も激しく叩いています。
テールスラップという行動です。

かと思えば、胸ビレを海面に突き出してみせます。
この長い胸ビレも、ザトウクジラの特徴のひとつです。
水面に出てくる胸ビレと尾ビレとの間隔の広さが、彼らの身体の大きさを想像させます。

他のイルカ・クジラを探して走っていると、突然船の横で子クジラがブリーチをしました。
「ここにいるよ」というアピールのつもりでしょうか。
お茶目な子クジラがもっと近付いてきてくれるかと船を停めました。
けれど、すぐに母クジラが浮上して、子クジラを連れていってしまいました。
しっかり者のお母さんですね。
わたしたちも、深追いするのはやめて離れましょう。

湾内にいた別の親子をウォッチングしかけたところで、イルカの情報が入りました。
南島周辺にいるとのことなので、急いで向かいます。
でも、到着した頃にはどこかへ雲隠れしてしまっていました。
しばらく探してみても、出てきてはくれません。
残念ですが、諦めることにしました。

港へ向かう途中、クジラのブローを見つけました。
2頭が2群と、さらにもう1頭いるようです。
まっすぐこっちに向かって潜ったかと思えば、船の右にいたり左にいたり。
群れと群れとの距離が近すぎて、なかなかそれぞれの動きが読めません。

ブローやフルークアップを、傾きかけた日差しが照らします。
海の生き物たちの姿や行動はひとつとして同じものはなく、何度出会っても飽きることがありません。

今日は、数多くのクジラたちに遭遇した、贅沢な一日でした。
中でも、出港直後に出会った親子クジラのふれあいのさまが、ひときわ印象に残っています。
お母さんにたくさん甘えながら、元気に育っていってくれることを願っています。(KOKORO)