うねりが出てきてはいますが、日差しは暖かく、海が輝いています。

二見湾を出て南へ船を走らせると、早速ザトウクジラのブローが上がっています。
親子クジラとエスコート、3頭の群れです。
エスコートは胸ビレの背側まで白く、浮上してくるときに水面下でよく目立ちます。
晴れた空の下、海の青とのコントラストが美しく映えます。

ゆっくりと北へ向かうクジラたちを追い越して、船はさらに北へ向かいます。
西島をぐるりと回り込んで、瓢箪島の北側でイルカの背ビレを見つけました。
30頭ほどのハシナガイルカの群れです。
うねりの中、クジラに比べてはるかに小さなハシナガイルカは見失いやすいです。
のんびり休息中なのか、潜っている時間も長めです。
それでも、船の舳先近くに寄って来て、間近で見ていただくことができました。
ハシナガイルカらしいジャンプ行動も見せてくれました。

ハシナガイルカをウォッチングしている間にも、近くではザトウクジラの親子がブローを上げています。
そちらへ向かいましたが、潜っている間に向きを変えてしまい、なかなか近付かせてはくれません。

そうこうするうちに、また別のザトウクジラの群れがブローを上げました。
この時期の小笠原の海はザトウクジラだらけです。
アダルト3頭の群れで、1頭だけが白い尾ビレの裏を見せて潜っていきました。

少し早めにお昼とスノーケリング休憩を取ります。
キャベツビーチは、多少の流れはあるものの、先ほどまでの海域と違って穏やかです。
船上からでも、カラフルなサカナたちが水中で活発に動き回っているのがよく見えました。

午後は南島を目指しながら、イルカやクジラたちを探しましょう。
二見湾口の沖で、3頭のアダルトクジラたちをウォッチしました。
10分程度の間隔で浮上してきてはブローを上げる、典型的な呼吸行動です。
尾ビレの付け根の逞しさには、さすがにアダルトクジラの貫禄があります。

すぐ南にもっと多頭の群れがいるので、そちらへ移ります。
全部で8頭いたでしょうか、交尾集団と思われる群れです。
船の近くで、競い合うようにブローが上がります。

この群れは、水中で互いのコミュニケーションに専念しているようでした。
ときには、水面で尾ビレを振り回す、アクティブな動きも見せてくれました。

ザトウクジラは、普段は1頭ずつ別々に生活しています。
このように複数頭がまとまるときもありますが、やがてはそれぞれ離れていきます。
タイミング良く、ザトウたちが集まったところを見ることができました。

南島の扇池を覗くと、波があって、上陸は難しいです。
ごつごつとした隆起珊瑚が作り出す不思議な景観を、船の上から楽しむことにしましょう。

ハートロックを背景に記念写真を撮影し、ジニービーチ、ジョンビーチ前を通過しました。
その北で、親子クジラとエスコートの群れに出会いました。

アダルト2頭は15分程度の呼吸間隔でのんびりしていますが、子クジラは頻繁に浮上してきます。
船に興味を持ったのか、すぐ近くまで寄ってきてくれました。

まだ産まれてわずかしか経っていない子クジラですが、すでに身体にはいくつか傷が付いています。
これ以上傷を増やさずに、元気にすくすく成長していってほしいものです。

天気に恵まれたボニン・ブルーの海での、クジラやイルカとの出会いをお楽しみいただけたでしょうか。(KOKORO)