厚い雲に空は覆われています。
でも海況は穏やかです。

小港沖に親子クジラがいました。
子クジラに合わせて、5分おきに母クジラも浮上してきます。
ずいぶん面倒見が良いお母さんです。
子クジラも成長したようで、5分ほどなら潜っていられます。
ずっと隣に寄り添う仲良し親子でした。

南島に泳いで上陸をします。
扇池に到着した途端、厚い雲が退き、晴れ間が広がりました。
太陽が出てる内に、扇池・東尾根をご案内します。
船に戻る頃には曇ってしまいましたが、肝心なときに晴れてくれて、強運な持ち主がいらしたようです。

ハートロックを眺め、ジニージョンビーチ前を通ります。
イルカの情報があり、西島へ向かいます。
ハシナガイルカが波に乗りながら泳いでいます。
あっちにもこっちにも広がって、100頭程いるでしょうか。
中には、胎児線が残っている産まれたばかりの子イルカもいます。

舳先に寄ってきては、離れていきます。
前方ではジャンプをしているイルカも。
頭数が多いので、どこを見ていいか迷ってしまいます。
南に移動していくハシナガたち、今日の休息場所はどこにするのでしょう。

アクティブなアダルトクジラを見つけました。
船が寄る頃には潜ってしまいましたが、あれ、小さなブローがあります。
子クジラもいるのでした。
母クジラが潜っている間、息の続かない子クジラは、水面に浮かんではまた母の元へ戻ります。
10分ほどすると、母クジラが浮上してきました。
高くブローを上げたかと思うと、そのまま仰向けになりペックスラップです。
両胸ビレを優雅にはためかせ、海面に叩きつけます。

ペックスラップを数回やったら潜り、また10分後にペックスラップ、の繰り返しです。
ブローの合間の僅かな時間にアクティブになるとは、不思議なサイクルです。
さて、ではこのクジラから離れましょうか、とお話ししていたら、母クジラがブリーチです!
何度もその巨体を跳び上がらせます。
なんとサービス精神旺盛な母クジラでしょう。
それに倣ってか、子クジラまでブリーチをし始めます。
大サービス親子に、船上では思わず拍手が起こりました。

クジラを見ていたら、あっという間に12時を過ぎてしまいました。
キャベツビーチでお昼とスノーケリング休憩を取ります。

午後は、南へ船を走らせます。
南丸根にミナミハンドウイルカがいるとのことです。
準備をして水中へ入ると、イルカが真っ直ぐこちらへやって来てくれました。
イルカ同士で絡みながら泳いでいます。
海の中はイルカの声で賑やかです。

ヒトに興味を示して寄ってくるイルカもいました。
潜って誘ってみると、くるりと回って遊びます。
ラビングをしていたり、コバンザメを嫌がっていたり、様々な様子が見られます。
14頭ものイルカに囲まれてのスイムとなりました。

お天気は生憎の雨でしたけど、3鯨種それぞれに楽しませてもらった1日でした。
ザトウシーズンもそろそろ終盤ですが、見応えはまだまだたっぷりです。(NAOMI)