今朝の父島は濃霧が発生し、少し先も全く見えない状態です。
どこを向いても一面真っ白、霧に囲まれての出港です。
ゆっくりと兄島まで行くと、靄が山を駆け上っていく様子がわかります。
なんとも神秘的な1日の始まりでした。

霧を抜けたところで、まずは肩慣らしのスノーケリングタイムを取りました。
キャベツビーチは、台風後だというのに透明度抜群です。
相変わらずのサカナたちの多さに、皆さま各々お楽しみになっていました。

準備運動が終わったら、島の東へ行きました。
東側は、霧もなく、視界良好です。
箱浜の手前でマンタを見つけました。
水中へ入ると、3~4メートルはあるマンタがゆっくり泳いでいます。
途中では、ウミガメと並んで泳ぐシーンも見られました。

巽湾には、小柄なアオウミガメが呼吸のために水面に上がってきていました。
湾内でUターンして、北上します。
北バラバラに背ビレを見つけました。ハシナガイルカです。
おそらく20頭ほどいたでしょうか。
舳先すぐ横に浮上して、船に寄ってきては、すっと潜っていきます。

ウォッチングの最中、近くにミナミハンドウイルカが居るとの情報が入りました。
泳ぐ準備をしてそちらに向かうと、イルカは1頭です。
エントリーしたら、メッカでした。
良くヒトと遊んでくれる、お馴染みのイルカです。

実はこのメッカ、左目がありません。
何が原因かはわかりませんが、以前はヒトが左側に来ることを嫌がったそうです。
でも、今は、左からヒトが寄っていってもへっちゃらです。
まるで見えているかのように、私たちにペースを合わせて泳いでくれます。

こちらを振り返りつつゆっくりしているメッカを、しっかりご覧いただけます。
ただ、1頭に対して他船も集まってきたため、さすがのメッカもヒトを嫌がるそぶりをし始めました。
もうこれ以上は避けようと、早めにスイムを切り上げました。

お昼は、釣浜に停まりました。
スノーケリングでは、ネムリブカやアオウミガメが見られたそうです。

午後は、西側を走りました。
南丸根でミナミハンドウイルカの背ビレです。
7頭のイルカたちが、まとまって泳いでいます。
中には、親子の姿も見られました。

良く観察すると、眼をつぶっていて、休息モードのようです。
それでもタイミングが合えば、すぐ真下をイルカたちが通っていきます。

尾ビレに海藻をつけて遊んでいるイルカもいました。
ここ最近のハシナガたちもそうですが、彼らにとってこれは良い遊び道具のようです。
これまでのうねりのせいか、海面に多くの海藻が浮かんでいたので、これからも遊ぶイルカの姿が見られるかもしれません。

最後に、扇池から南島へ泳いで上陸しました。
台風の影響を心配していましたが、昨年のような景観の激変はなく、安心しました。
いつもよりやや落ち着いて見える南島の景色です。

その間、上陸されなかったかたたちは、沖でミナミハンドウイルカを見つけてスイムしたそうです。
子連れのライティがちょっと神経質で、ヒトには寄ってこなかったとのことでした。
子イルカが成長したら、また近付かせてくれるでしょうか。

ジニービーチ・ジョンビーチを眺め、帰港しました。

濃霧で周囲が見えない珍しい景色から、青空が広がったときの小笠原本来の景色までご覧いただけました。
マンタ・ウミガメ・ハシナガ・ミナミハンドウとたくさんの出会いがある日となりました。(NAOMI)