湾を出ると、沖に船が集まっています。
ザトウクジラの交尾集団がいるようです。
早速、私たちも加わり、ウォッチングです。

朝一番に出会った彼らは、ずいぶんアグレッシブでした。
それぞれが別のクジラを追いかけて威嚇し合い、移動が早いです。
こちらもそれなりにスピードを出して付いていかなければなりません。
クジラ同士は、互いに牽制しながら、近い距離で進んでいきます。

追いかけ合ってるクジラは、7頭はいたでしょうか。
メンバーの入れ替わりもあり、延べ数としてはもっと多かったでしょう。
尾ビレを高く持ち上げ、力強いペダンクルスラップもします。
叩きつけた瞬間の水飛沫も見事です。

アンダーウォーターブローで、他を押しのけるクジラも。
負けたものは退散していき、勝ち残ったものは新たな挑戦者と優劣を競います。
さて、このクジラたちの恋のバトルは、誰が勝利を手にしたのでしょう。
白熱した闘いを見せ続けてくれました。

この群れをウォッチング中、頭上に絶滅危惧種クロアシアホウドリの姿がありました。
今シーズンは、ツアー中に高確率で見られています。
たまたま多く見られているだけなのか、それとも、保護活動のおかげで数が増えているのか。
後者だったら嬉しいところです。

あっという間にお昼にさしかかりました。
まずは、キャベツビーチでスノーケリングタイムにしましょう。
経験者や昨日のレッスンツアーに参加されたかたばかりですので、泳ぎには全く問題ありません。

ランチ休憩は、穏やかな滝之浦バラ沈でとりました。
お腹を満たしたあとは、沈没船スノーケリングです。
キャベツビーチとは全く異なる海中景観です。

午後は、情報があったので、弟島に向かいました。
60頭のハシナガイルカの群れです。
やや神経質なのか、船が寄ると潜りがちでした。
動きはゆっくりで、休憩状態のようです。

中には、船を嫌がらずに寄ってきてくれるイルカもいます。
舳先下を通っては、群れと合流し、またやってきます。
穏やかなウォッチングとなりました。

南へ下り、南島扇池を覗いてみます。
うねりの影響があり、今日は上陸を断念しました。
ジョンジニー・ハートロックと回り、西側に戻ります。

最後の最後、儀兵岩にミナミハンドウイルカの情報が入りました。
1頭だけとのことですが、ご希望のかたは泳ぐ準備をします。
水中へ入ると、勢い良くイルカがこちらにやってきます。
そのまま私たちの周りをぐるぐると。
イルカも、ヒトに興味を持って観察しているようです。

ごく近くまで寄ってきてくれて、スイマーは大興奮です。
ただ、飽きっぽいイルカならでは、2回目にはスッといなくなってしまいました。
もうヒトへの好奇心は満ち足りたようです。
帰港時間も迫っていますし、無理に追わず、これで終わりにしましょう。

アグレッシブな交尾集団から始まり、ハシナガイルカ・ミナミハンドウイルカと、出会いを楽しむことができました。(NAOMI)