うねりはだいぶ収まりました。
西側の海は風波がありますけど、島陰は問題なさそうです。

出港して、南島へ向かいました。
昨日は上陸できなかった南島ですが、今日は行けそうです。
波の合間を見て、扇池へ泳ぎます。
植生回復期間のために砂浜のみの利用ですが、いつもなら行かない場所やしていない話題など、ゆっくりご案内できました。

北上していると、イルカの情報が入りました。
ワシントンビーチにミナミハンドウイルカがいるようです。
泳ぐ準備をして、早速、水中へアプローチします。
11頭のイルカがこちらへ真っ直ぐやってきます。
そのまま、私たちのことも群れの中へ入れてくれました。
上下左右、どこを見てもイルカです。

群れの中には親子がいました。
あれ?ジョーもいます。
どうやら昨日にも会った群れのようです。
ヒトと絡みはしませんが、全く嫌がるそぶりはありません。
眼を合わせながら、一緒に泳いでくれます。

ワシントンビーチは、ダイビングでもよく使われるポイントです。
下にはサンゴが広がっています。
浅瀬をイルカたちが通ると、彼らを囲むサカナの群れとサンゴという、小笠原ならではの光景です。

スイムのあとは、先ほどまでいたというハシナガイルカを捜しました。
儀兵岩沖に50頭程がのんびり休憩していました。
ミナミハンドウと泳いだ直後だからか、ハシナガがより小さく見えます。
舳先でウォッチングを楽しんでいたら、またまたミナミハンドウ情報です。

ウェザー下に8頭のイルカです。
水中で2〜3頭ずつまとまりながら、すぐ下を通過していきます。
向きを変えることもなく、ラビングをしたり、リラックスモードです。

あいにくの曇り空でも、海の中は青がキレイです。
イルカたちは、呼吸のタイミングもシンクロして、潜っていきました。
体表には斑点もほとんどなく、若いイルカの集まりのようです。

深くを泳いでいくときもあれば、水面近くを泳いでいくときもありました。
彼らの下に潜り込むと、姿がシルエットで浮かび上がります。
背ビレや尾ビレのフチで個体識別をするには、シルエットのほうがわかりやすいかもしれません。

お昼は、キャベツビーチに停まります。
先ほどのイルカの話をしながら、ランチをいただきます。
そのあとは、もちろんスノーケリングも。
ウェットスーツを着ていれば、船上よりも海中の方が温かいこのごろです。

午後は、兄島を北上していきます。
離れたところでテールスラップをしているイルカを見つけました。
ハシナガかしらと近付くと、違いました、ミナミハンドウです。
舳先すぐ下でテールスラップを繰り返し、こちらをからかってるようです。
海へエントリーすると、3頭いました。うち1頭は、まだ小さい子イルカです。

この子イルカは、ヒトを見るや否や、右へ左へ、上へ下へと、猛スピードで泳ぎだしました。
驚かせたのかと思ったら、むしろ興味津々でこちらを観察しています。
「なになに?!ママ!なんなの、この生きものは?!」と騒いでる声が聞こえてきそうでした。
そんな子イルカをよそに、母イルカはドシンと静観しています。
さすが、(きっと)たくさんの子どもを育ててきたお母さんです。
この母イルカは、胴の右にも左にも特徴的な痕があり、識別しやすいでしょう。
次にこの親子に会うのが楽しみです。

ますます風が強まり海況の悪化が予想されたので、早めに湾内に戻りました。
枝サンゴでスノーケルしてから、帰港しました。

南島上陸・ミナミハンドウイルカ3群・ハシナガイルカ1群と盛りだくさんでした。
どこにいってもイルカ、イルカ、イルカ・・・、出会ったイルカがたくさんの、贅沢な1日でした。(NAOMI)