昨日に引き続き、今日も気持ちの良いお天気です。
今便でいらしたお客さまがたは、晴れ男・晴れ女が多いのでしょうか。

出港してすぐに、二見湾内で親子のクジラを見つけました。
子クジラはまだ生まれて間もないようで、とても小さいです。
船のすぐ近くまで寄ってきて、親子で向きを変えて泳ぎ去っていきました。

野羊山を回ると、また別の子クジラが、走る船のすぐ横に浮上してきました。
朝から驚かせてしまったかな、ごめんね。

さて、回りを見渡してみると、あちこちにブローが上がっています。
しばし様子を観察して、アクティブな群れを見極めます。

3頭のオトナのクジラの群れのうち1頭が、胸ビレで海面をしきりに叩いています。
ペックスラップという行動です。
胸ビレの裏の白さが眩しいくらいです。
どうやらこの群れは活発な行動を見せてくれそうです。

もうすこし東にいた2頭と合流して、5頭の群れになりました。
激しい動きで追いかけあっています。
おそらく、1頭のメスを巡って、オス達が力比べをしながら追いかけっこをしているのでしょう。
やがて、力比べに負けたのか、1頭が群れから離れていきます。
最後に1発、やけっぱちのようなブリーチを披露してくれました。

イルカの情報があったので、わたしたちもそちらへ向かいます。
6頭のミナミハンドウイルカが、波乗りをして遊んでいました。
随分動きが速いけれど、呼吸を合わせてエントリーしてみましょう。
水中で誘うと、寄ってきて少しだけ一緒に回ってくれます。

サカナを咥えているイルカがいました。
自慢するようにこちらを横目で見ながら通り過ぎていきます。

おや?なんだか体色の違うスリムなイルカたちがいましたね。
20頭ほどのハシナガイルカがすぐ近くを泳いでいました。
一瞬の出会いでしたが、水中に入った皆さまはミナミハンドウイルカとの違いをご覧になれたでしょうか。

南島回りの海は昨日より少し波があるけれど、まだ泳いで上陸できる海況です。
扇池のアーチをくぐった先には、美しい白砂の浜が広がっています。

上陸組が南島の景色を堪能している間、船に残った組はクジラ・イルカを探しましょう。
アオウミガメを見つけて減速したら、タイミングを見計らったかのようにイルカの影がすっと通っていきました。
慌てて泳ぐ準備をします。

一度目のエントリーではそっぽを向かれてしまいました。
けれど、二度目ではしっかり近くを泳げました。
3頭の若いイルカたちです。
1頭が、顔にくっついたコバンザメを気にしながらも、ヒトと回って遊んでくれます。
もう2頭はイルカ同士、ラビングしあってご機嫌な様子です。
南島回りの白砂の海底を背景にした、ラッキーな出会いでした。

上陸組をピックアップして、お昼休憩に向かいます。
兄島海域公園のキャベツビーチは、今日も抜群の透明度です。
色とりどりのサカナやサンゴに、「まるで水族館にいるみたい!」と歓声が上がります。

午後は滝之浦を抜けて、人丸島、瓢箪島と見て回ります。
瓢箪島の北側に、親子クジラとエスコートがいました。
エスコートが親子を追いかけているようで、動きがやや速いです。
子クジラが興奮して、何度もテールスラップをしていました。
まだ華奢な尾ビレが可愛らしいです。

西島の南まで戻ってきたところでまたイルカです。
どうやら親子のようで、オトナのイルカがどんどん先を泳いでいくのを、コドモが追いかけていきます。
コドモが遊んでくれないかとエントリーしてみましたが、ちらっとこちらを見るだけで通り過ぎてしまいました。
何はともあれ、こうしてたくさんの出会いがあるのは嬉しいことです。

タコ岩近くで散発的にペックスラップをしているクジラがいました。
沖へ向かって泳いでいくので、深追いせずに岸近くへ戻りましょう。

子クジラがブリーチを繰り返しています。
喉元からお腹にかけてのひだがはっきりと見えます。
北の海で餌を捕るときには、大量の海水ごと餌を口に含んで漉しとるので、このひだの部分が伸びてふくらみます。
母クジラも何度かテールスラップを見せてくれました。

今日はザトウクジラ、ミナミハンドウイルカ、ハシナガイルカと、この時期小笠原諸島沿岸で見られる3鯨種すべてに出会えました。
波の立ちやすい冬の時期はどうしてもイルカを探すのが難しくなりがちですが、しっかり泳げて大満足の一日でした。(KOKORO)