二見湾を出て南へ向かうと、南島周辺はガスが立ち込めています。
気温は随分夏めいてきたものの水温はまだ低い、この時期ならではの光景です。
ガスの中から姿を現した扇池への入り口のアーチも、どこか幻想的な風情でした。
産卵シーズンを控えたアオウミガメたちは、このアーチをくぐって南島へ上陸し、産卵に適した場所を探します。
私たちも泳いで上陸しましょう。
波打際の岩の下にはネムリブカがいました。
基本的にはおとなしい種類のサメですが、近くを泳ぐのにはやっぱり少し勇気がいります。
数日前までの雨と風で、ヒロベソカタマイマイの半化石は、多くが砂に埋もれてしまったようです。
それでも、名前の由来となった殻の形状や、チチジマカタマイマイとの違いなどをご案内することができました。
東尾根からは、ジニービーチと青い海とが、ガスの間に見え隠れしていました。
船に戻ると、すぐ近くでイルカの情報が入っていました。
サメ池の出入り口付近を、7頭のミナミハンドウイルカがまとまって泳いでいます。
イルカ同士で遊びながらゆっくりしているときもあれば、波に乗って速度を上げるときもあります。
海へ入ると、ヒトと遊ぶ気はないようですが、並んで泳がせてくれました。
群れの中にはジョーという顔馴染みのイルカもいました。
(水中カメラ修理中のため、イルカの写真はイメージです)
船を走らせて、先ほど東尾根から見下ろしたジニービーチの前を通ります。
この辺りはガスが晴れていて、白と青とのコントラストが鮮やかです。
透明度も良く、美しい海中景観が広がっていました。
島周りのあちこちに残るガスの景色を楽しみながら、北へ向かいます。
ガスのあるエリアはやはり水温が低いのか、船上にいても肌寒く感じられました。
兄島海域公園のキャベツビーチで、ランチとスノーケリングタイムをとります。
凪いでいるので、船上からでもサカナやサンゴが鮮やかに見えます。
貸切状態のキャベツビーチで、のんびりと時間を過ごしました。
父島と兄島の間にかかるガスを抜けて、午後は父島の東側を回ってみましょう。
海底火山の噴火が作り出した島は、岸壁の形状や模様も様々で、見飽きることがありません。
巽湾でマンタを見つけました。
急いで海に入ってみると、大きなマンタが悠々と泳いでいます。
ひっくり返って白いお腹も見せてくれました。
スイムのあとは、船上からウォッチしてみましょう。
身体を波打たせ、舞うように泳いで行きました。
金石沢に船を停めて、スノーケリングです。
先ほどのキャベツビーチとは、サカナの種類も数も海中の様子も異なっています。
泳ぐのに疲れたら、船上でアフタヌーンティーを飲みながら一休みです。
今日はいつもとは少し違う、ガスをまとった小笠原の景観をご覧いただきました。
イルカやネムリブカ、マンタといった、海の生き物たちとの出会いもお楽しみいただけたでしょうか。(KOKORO)