灰色の低い雲が垂れ込めて、強い風も吹いています。
出港時には、ついに雨も降り出しました。
ウォッチングには、なんてハードな天候海況なのでしょう。
この中でクジラをどれほど楽しんでいただけるかとハラハラしていたら、ところが、どっこい!
小笠原の海とクジラは凄いです。
じきに雨も上がり、ザトウクジラはその行動パターンをいろいろ見せてくれました。

1.超接近
ハシナガイルカの群に近付いたら、船のすぐ横にザトウクジラ3頭が浮上して来ました。
ゆうゆうと舳先を横切っていきました。
いきなりの巨体との接近遭遇に、船上は一気に盛り上がりました。

次は、ハシナガイルカをウォッチです。
船を囲んで併走し、船首波にも乗ります。
そのさまに、舳先で次々に歓声が上がります。
ハシナガは、得意のジャンプも披露してくれました。

2.フルークアップ
さっきのザトウクジラ3頭に戻りました。
今年生まれの子クジラとその母クジラ、付き添っているエスコートたちは、揃って浮上して来ます。
ブローを繰り返して、おもむろにフルークを上げて潜っていきました。
典型的な呼吸行動です。

3.テールスラップ
南島の扇池を覗きましたが、波があり、上陸は諦めました。
ちょうどそのとき、すぐ沖でアクティブな行動を始めたクジラがいました。
皆さま、もう、南島なんて見向きもせずに、クジラに夢中です。
そちらへ急ぎましょう。

4.ペダンクルスラップ
ザトウは、船が近付いてからも、まだアクティブです。
テールスラップに続いて、今度はペダンクルスラップです。
よりいっそう激しい動きに、大きな水しぶきが上がり、大音が響きます。
もうもう、迫力満点です。

5.ブリーチ
今度は、近くにいた子クジラがブリーチを始めました。
遊びだしたら止まらないようで、何度も続けます。
跳びながらも次第に低くなり、くたびれてきたふうなのが、また、愛らしいです。

6.ヘッドライズ
子クジラは、ブリーチに飽いたのか、それとも疲れたのか、次はヘッドライズになりました。
母クジラのすぐ横で、頭を突き出します。
周りの様子を見ているのでしょうか。

7.ブリーチ・再び
「前でも跳んでる!」と、船長が大声を上げました。
また別の子クジラが、前方でブリーチをしています。
あらあら、忙しい。
と思ったら、子クジラは、跳びながらどんどん近付いて来ます。

8.超接近&ブリーチ
え? え? いったい次はどこへ現れるの!?
きゃぁ、ここでした!!
舳先すぐ横でブリーチをした子クジラ!!
前もってレンズを広角側に回していたのに、それでもはみだしちゃいました!
肉眼でも、クジラの目がしっかり見えてました。

9.ペックスラップ
興奮冷めやらぬまま、ジョンジニービーチの前を通り、ハートロックを眺めました。
西を北上して、湾沖で2頭のザトウクジラです。
両方の胸ビレを宙にひらひらと舞わせています。
まるで、こちらに向かって手を振ってるようですね。

10.ブリーチ・アダルト編
そして次は、ブリーチです!
さすが、先ほどの子クジラとは段違いの迫力です!

兄島海域公園のキャベツビーチで、ランチとスノーケリング休憩をとりました。
ビギナーさんも、サカナに熱中しているうちにスノーケリングにも慣れてらっしゃいました。

11.交尾集団
午後に遭ったのは、4頭のザトウクジラ。
やがて6頭に増えて、ブローの林立が美しいです。
でも、頭数が多い割におとなしいなぁ、と思っていたら!
突然!船のすぐ横で見事なブリーチ!
それから頭を突き出して、動きが激しくなります。

12.ヘッドライズ・アダルト編
遊泳方向がばらばらで、定まりません。
離れていったクジラもいれば、ヘッドライズを繰り返すクジラもいます。
船の正面なので、下あごのウネもくっきり見えました。
思い出したようにあちらでブリーチするクジラもいるし、どこを見たらいいのか、振り回されてしまいます。

結局、一日で何回ブリーチを見たことか。
それ以外にもいろいろなザトウの行動パターンを満喫しました。
終わってみれば、出港時の悪天候なんてどこ吹く風、最高のクジラ日和でした。(TOMOKO)