おがさわら丸のドック期間も明け、大勢の島民が休暇から帰ってきました。
私たちが島を離れていた間に、クジラたちもたくさん戻ってきていたようです。

今日は、西側の海況が悪いです。
島陰の南や東に回れば波も落ち着くので、まずはそちらまで波を越えていきましょう。
・・・と、思ったのですが、その荒れた西側でブリーチ合戦を始めた2頭のクジラを見つけました。
これほどアクティブなのをスルーするわけにもいかず、波の中でのウォッチングです。

クジラたちにとっては、波なんてなんのその。
むしろ、それすらも楽しんでいるのでしょう。
仰向けで落ちたり、腹ばいになったり、まさに踊るように跳んでいます。
大迫力のアダルトのブリーチ競演に、釘付けでした。


ジニービーチ、ジョンビーチの前を通って、南島へ近付きます。
扇池側へは波があたっているので、今日は上陸を諦めましょう。

南の海域は、先程までの波が嘘のように穏やかです。
ハートロック背景に写真を撮り、巽湾へ回り込みます。
その先にザトウのブローを見つけました。
フルークアップで潜っていったのは1頭だけだったので、シンガーかもしれないと水中マイクを入れてみました。
すると、ソングが聞こえます。
間近からではないので、今潜ったクジラではないでしょう。
それでも、近くにいるザトウが奏でる旋律に耳を傾けます。


この辺りでは、ブローがあちこちに上がっています。
どの群れに行こうか、しばし、迷ってしまいます。 箱浜沖に頭数が多い群れがいるので、そちらをウォッチしましょう。
今年生まれの子どもを含む4頭のクジラでした。


船が近付くと、エスコートの1頭がブリーチしました。
すぐ目の前に巨体が跳び上がります。
そのまま続けてくれるか、と期待したのですけど、1度きりでした。
気が付くと、エスコートの1頭がいなくなっていました。
闘いに負けて去って行く雄クジラの、負け惜しみ大ジャンプだったのでしょうか。

3頭になった群れを見ていると、子クジラが遊び始めました。
水面上に顔を出して、何を見てるのでしょうか。
口を開けてるので、中のヒゲ板までが見えてしまいます。


かと思うと、尾ビレを振り回したり、胸ビレを突き出したり。
子どもならではの身軽な動きで、私たちを楽しませてくれます。


母クジラとエスコートは、子どもの側でブローを上げます。
呼吸を繰り返し、尾を上げて潜っていきました。

キャベツビーチで、お昼とスノーケリング休憩です。
陽差しが降り注ぐので、海の中がより一層美しいです。 午後は、やはり穏やかな東へ戻ります。


東島の北に、1頭のクジラがいました。
潜っても浮上位置がほぼ変わらずに、休息モードです。


ブローを繰り返しながら、頭をこちら側に方向を変えます。
船に興味を持ったのでしょうか。
上顎に並ぶ突起もよく見えます。


東島の南には、親子とエスコートの3頭がいます。
動きを見ていると、午前に会った親子たちですね。
まだこの辺りに留まっていたようです。
親子が並ぶと、その大きさの差がよくわかります。


長崎の手前に、またクジラです。
このクジラは、兄島瀬戸へ向かっています。
どうやら、東から西へ移動するつもりのようです。


水路の中央を通るのかと思ったら、ずいぶん岸寄りを進みます。
このぐらいの浅さは気にならないのでしょうか。
でも、キャベツビーチの前あたりでは、さすがに浅すぎたのか、中央へ寄ってきました。
船の横でフルークアップをしていきました。


今日は、クジラ、クジラ、クジラ、のクジラ祭りでした。
どちらの方向でもブローが見つかります。
小笠原はザトウクジラのピークシーズンに突入です。(NAOMI)