今日は、朝から雨が降ったり止んだりです。
風も強く、二見湾の入口までさしかかると波が高くなってきました。
西側は海況が悪いので、まずは東へ抜けたいところです。

ウェザー下を通り過ぎたあたりで、子クジラがジャンプをしていました。
浅すぎるのではないかと思うほどの岸寄りです。
やがて母クジラも、すぐ近くに浮上してきました。
けれど、跳びながら次第に荒れたほうへ向かっていきます。
このクジラたちのウォッチングは諦めることにしました。

気を取り直して、兄島海域公園のキャベツビーチに停まりましょう。
身体慣らしのスノーケリングタイムです。
このビーチは、たくさんの生き物たちの住みかになっています。
皆さまそれぞれの出会いがあったことでしょう。

さて、比較的穏やかな東側の海域へ船を進めます。
クジラのブローを見つけましたが、波の中で姿を追いにくいです。
フルークを上げて潜っていったところで、別の群れに移ることにしました。

東島近くにいた群れは、全体的に動きが速いです。
オトナクジラ2頭が鼻息荒く、親子クジラを追いかけています。
時折頭を力強く突き出すように浮上してくるのは、オトナ同士威嚇しあっているのでしょう。

次第に雨が強くなってきました。
海の中のクジラたちはそんなことは気にも留めません。
激しい追いかけっこを続けています。

追われているのは、昨日も出会ったモッチーニ親子でした。
まだこの海域に留まっていたのですね。
毎年モテモテのモッチーニは、子連れでも変わらずモテモテです。

興奮した子クジラがブリーチをしはじめました。
何度も何度も身体を踊らせます。
身体の軽い子クジラは、ときには尾ビレまで海面に出る鮮やかなジャンプを見せてくれます。

けれど次第に疲れてくるのか、ジャンプが低くなってきます。
いつか大きく育って、オトナの豪快なブリーチを見せてくれる日も来ることでしょう。

モッチーニは、特徴的な尾ビレの丸い欠損を見せて潜っていきました。
追い回されずに親子でのんびり過ごせる時間もあるといいのですが。

モッチーニたちを離れて北へ向かう途中、水面下にマンタを見つけました。
最近マンタを見かけることが少しずつ増えてきています。
初夏のマンタシーズンが待ち遠しいです。

兄島瀬戸に戻って、父島側のワシントンビーチでお昼休憩にしましょう。
雨にも負けず、スノーケリングを楽しむかたもいらっしゃいます。
長崎展望台から見下ろせるビーチですが、ツアーで停まることは少ないので、レアな経験をしていただきました。

兄島瀬戸を抜けて西側の海域に戻ると、やはり波風が強いです。
幸い今日は揺れに強いお客さまが多く、船上ではまるでアトラクション気分です。
海の生き物たちだけでなく、揺れるクルージングもお楽しみいただきました。

二見湾内に戻ったところで、またマンタの姿を見つけました。
この海況ならばスイムができそうです。
水中に入ってみると、マンタはのんびりと採餌中でした。

二度目のスイムでは、マンタが二尾に増えました。
身体を膨らませて採餌しているので、繁殖シーズンのマンタよりもかなり分厚く見えます。
宙返りのような動きで水面の餌を捕る姿を、何度も見せてくれました。

大興奮のマンタスイムを終えて、境浦の沈船を覗きます。
30数年前の、船が立派な姿だったころの写真と見比べると、波の力をまざまざと思い知らされます。

最後に、枝サンゴが群生しているポイントでスノーケリングです。
今日は3箇所でスノーケリングをしていただきました。
それぞれの場所の海中景観の違いをお楽しみいただけたでしょうか。(KOKORO)