北西の風が吹き、冬らしい海の小笠原です。
西側の海況はバシャバシャですが、南側と東側は穏やかそうです。

出港して、まずは荒れているところを通り過ぎようと南へ向かいます。
その途中、閂島の辺りで親子のザトウクジラを見つけました。
ここ最近、小港沖によくいる親子でしょうか。
ウォッチしていると、2頭そろって船の横を通り過ぎて行きました。
並んだ親子は、大きさの比較も容易です。
海の色も明るいので、水面下の影も追うことができます。
ゆっくり泳ぎ去っていき、母クジラらしく尾を低く上げて潜っていきました。

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ジョンビーチジニービーチを眺め、南島のサメ池を覗きに行きます。
ハートロック背景に写真を撮り、船は東の岸寄りを走りました。

キャベツビーチに停まり、お昼とスノーケリングタイムです。
陽差しも出て、水中に日が差します。
今日は、大きなハマフエフキが海面まで出て来て、お客様を喜ばせていました。

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午後は、また穏やかな東でイルカクジラを探します。
情報があり巽湾へ向かうと、3頭の大人のザトウクジラがいました。
交尾集団です。メスとそれを狙うオス達、かなりのスピードでの追いかけっこです。

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3頭は、巽湾の岸寄りをぐるっと回っていました。
鼻息荒く、ブローを何度も繰り返します。
巽島の端まで行き、そのまま外洋に出ていくかと思いきや、湾の中に戻りもう一周です。
船を留めて見ていたら、クジラ達が船に近寄ってきました。
メスを巡る争いの最中で、荒々しく迫力満点です。

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そして、再び巽島に来ると、あれ?もう1頭増えました。
新しく参入した新参者を入れ、4頭の集団となって外洋に出ていきました。
尾を頻繁に上げるので、個体識別もしやすいです。
パワフルな恋のバトルをご覧いただけました。

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ザトウウォッチ中、クロアシアホウドリの姿も見かけました。
彼らもザトウと同じく、冬に小笠原で繁殖をしている海鳥です。
絶滅危惧種ではありますが、冬には時たまこうして私たちの前に現れます。
大きく凛々しいいっぽう、どこか可愛らしい印象もあるアホウドリ類です。

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その後は、イルカクジラを探しながら、荒れている西側を通り抜けて帰港しました。

同じザトウクジラですが、午前と午後で全く異なる行動を見ることができました。
繁殖海域の小笠原では、ヒトと同じように生活をする彼らの姿があります。
また、貴重なアホウドリたちも繁殖する海域です。
海も空も見逃せません。(NAOMI)