西は波、東は凪

今日も北西の風が吹き、西側は荒れています。
でも、東まで回り込めば問題なさそうです。
最近はこのような海況ばかりで、いかにも早春らしい海です。

大波を抜け東まで走ると、島陰は凪ぎています。
早速、遠くに連続ブリーチングしているクジラが見つけました。
 それまで跳び続けていたクジラは、船が寄った時には落ち着いてしまいました。
そのクジラの側にはもう1頭のブローもあります。
ここまで沖に出ると波も大きく、船が流される中、不意に後ろで再度ブリーチング！
とはいえ、さすがに海況が悪いので、穏やかな岸寄りに戻りました。

初寝浦沖では、親子を含む5頭のザトウたちが追いかけっこをしているようです。
かなりのスピードで泳ぎ、向きもてんでんばらばらで定まりません。
力強いブローがしきりに上がります。
そんな動きが激しい大人たちに混じり、子クジラの小さな背ビレも見えます。
この子クジラは、他の子と比べてもずいぶん小さいです。
生まれてからそれほど日にちが経っていないのでしょう。
この子クジラは、複数の雄クジラに追われている今の状況をどう思っているのかな。

激しかった追いかけっこも決着がついたのか、2頭のクジラがそれぞれ離れていきました。
残った親子とエスコートは、ゆっくりになりました。
母クジラは、よほど疲れたようで、しばらく潜らずに水面で呼吸を繰り返しています。
ここまでずっと潜らないのも珍しいです。
潜りかけてもすぐに現れるので、いつまでも姿を追うことができました。

キャベツビーチに停まり、お昼とスノーケリング休憩を取りました。
風が肌寒い今日は、船上より水中の方が暖かいようです。
皆さま、船に戻られても、すぐにまた泳ぎに行かれます。
晴れているので、色鮮やかなサカナたちが印象的らしく、名前をあれこれ尋ねられました。

午後は、箱浜沖に集まっていた船に向かいました。
親子とエスコートの3頭の群れです。
先ほどとは違う親子で、こちらの子クジラはすでにずいぶん成長しています。
母クジラが潜るために尾を上げると、あ、モッチーニです。
今日はここにいたのですね。

船を嫌がらずにのんびりしている、この3頭です。
と、思ったら、急に子クジラが舳先すぐ近くに出てきちゃいました。
そして、それを追うかのようにモッチーニまでも。
その向こうには、エスコートの背中も見えます。
間近に現れたクジラたちは、ブローと共に横を通過して、おもむろに潜っていきました。
束の間の、ザトウたち大接近でした。

この辺りには、交尾行動中のカメも多く見られました。
3月に入り、アオウミガメの繁殖シーズンもスタートです。
数ヶ月たてば、砂浜にカメが上陸した足跡も見られるでしょう。

船は南に回って、ハートロック背景に記念写真を撮ります。
ジニービーチとジョンビーチには、波が入り込んでいました。
荒れ続けているので、扇池から南島への上陸は諦めました。
大波の西側海域を通り抜け、本船は帰港しました。

昨日の雨模様とは打って変わって晴天になった今日は、水中も明るくキレイでした。
さて、明日はもっと荒れる予報です。ツアーは出られるか、気になるところです。（NAOMI）