梅雨が明けて、小笠原にも夏がやってきました。
いきなりの強い陽差しに、嬉しい反面、クラクラしてしまいそうです。

出港して、まずは潮が高いうちに南島へ上陸しました。
薄曇りの空が、観察路を歩いていると晴天になりました。
扇池の波打ち際5メートルほどにアオウミガメの産卵巣がありました。
これほど海の近くで、波を被ってしまわないのでしょうか。
ここの卵が無事にふ化するまで海が荒れませんようにと、願います。

南島の周りには、たくさんのカツオドリも集まっています。
船から、獲物を捕まえようと海に飛び込む姿も見られます。
写真のカツオドリ2羽は、顔の色が違いますね。オスとメスです。
一緒に行動してるのは、まだ卵を抱いていないからでしょうか。
生まれて間もないヒナも見られ始めていて、カツオドリの子育てシーズン開幕です。

ジニービーチ・ジョンビーチを眺めていると、イルカの情報が入りました。
小港沖にハシナガイルカがいるとのことです。
40頭ほどの群れがやや広がってていました。
船にも近付いてきて、そのシャープな姿を見せてくれます。

 

ウォッチング船がいても、イルカたちは気にしていない様子です。
向きをあちこち変えては、この辺りを動こうとしません。
動きもゆっくりで、休息モードです。
時たま、頭を突き出す行動も見せてくれました。

お昼は、兄島海域公園のキャベツビーチで取ります。
サカナが多く、どこを見ても飽きません。
水温が高く、水着だけで快適なので、いつまでも泳いでいられそうです。

午後は、ミナミハンドウを求めて、東に向かいました。
石浦でUターンし、東島の外側を通ります。
瀬戸を抜け西島も回りましたが、イルカがいません。
あぁ、今日はどこに行っちゃったのかしら、と思っていたら、情報がありました。
南島の北西に、ミナミハンドウイルカです。スピードを出して、そちらに向かいます。

ロストしたとの情報にも諦めずに船を走らせると、ミナミハンドウイルカの背ビレが確認できました。
皆さま、お待たせしました!と、泳ぐ準備を始めます。
スタンバイをしてもイルカの潜っている時間が長く、なかなかエントリーするタイミングがつかめません。
渋いのかなと思いつつ、チャンスを見て海に入ったら、そんな杞憂は一気に吹き飛びました。
4頭が揃って側にやってきて、ヒトと遊んでいきます。
とってもご機嫌です。

リピーターさんが絡んでいる間に、スイム初心者のかたも追いつき、イルカを間近でご覧いただけました。
青く輝く海の中、イルカがこちらを興味深そうに覗いてきます。
そしてそのまま、クルクルと。

ジョーと呼んでいるイルカもいました。
好奇心旺盛なジョーは、今日もよく遊んでくれます。
これだけ近いと、彼の特徴であるクチバシの傷跡もはっきりわかります。
イルカたちと泳いでいたら、南島から野羊山まであっという間に来ていました。
ようやく出会えたイルカたちと、大満足のスイムができました。

スイムの余韻に浸りつつ、境浦の濱江丸に船を停めました。
今日最後のスノーケリングタイムです。
座礁船の周りにはサカナもたくさんいますし、上からのウォッチだけでも楽しめるポイントです。

時間ギリギリまで満喫したあとは、港へ帰港しました。

先週と比べ、水温が急上昇していました。
これからの季節、絶好の海シーズンです。
フレンドリーなイルカとも会え、好調な夏の滑り出しとなりました。(NAOMI)