昨日よりも、海は穏やかになりました。
おがさわら丸ドック前最後のツアーに行ってきます。
次の父島入港は2月8日です。
最初にあったザトウは、15分間隔で浮上してきます。
ただ、尾も上げずにすぐ潜ってしまうので、他のを探しましょう。
8頭のメイティングポッドを見つけました。
ウォッチしていると、ますますヒートアップしていきます。
ヘッドライズをして威嚇をしているクジラも。
沖へ向かって、勢い良く追いかけっこです。
ブローに虹がかかることもありました。
幻想的ですが、鼻息はだいぶ荒いです。
これだけの力強いアプローチに、メスクジラはどのクジラを選んだのでしょう。
南島の南に、親子とエスコートの3頭のクジラがいました。
通常、深く潜れない子クジラのために、母クジラは尾を上げないことが多いです。
でも、この母クジラは尾をしっかり上げ、泳いでいきました。
遠く沖でブリーチしてるクジラがいます。
急いで船を走らせましたが、着く頃には止めてしまいました。
周りに連れ添ってるクジラはいないようです。
このクジラはブリーチで何をアッピールしたかったのでしょうか。気になります。
岸近くまで戻ってくると、あちこちにブローが上がっています。
尾を高く上げてくれるので、裏側の模様がわかりやすいです。
小笠原のザトウクジラは尾の裏側が真っ黒な個体が多いですが、今日は白や白黒によく会います。
個体識別がしやすそうです。
船の右にも左にも、メイティングポッドがあります。
ブローが林立したり、尾を振り回したり、見所がたくさんです。
オスクジラにとっては、はるばる南の海まで繁殖のためにやってきているので、ここが正念場です。
お昼に入ろうとしたときに、ミナミハンドウイルカの情報が入りました。
いつもだったら向かうところですが、今日のお客様はハードリピーターさんばかり。
もっと好条件の時にスイムするからいい、ということでイルカはスルーです。
午後は、西島周りのクジラをウォッチします。
船のすぐ横に浮上してくるクジラもいました。
と、右にいた群れがアクティブになり始めました。
ここでも複数頭のクジラがメイティング行動です。
ヘッドライズで相手にのしかかっています。
乗っては乗られての繰り返し。これでケガをするクジラもいます。
アンダーウォーターブローで他のクジラを押しのける行動もします。
白熱した激しい闘いです。
スピードも速く、どんどん北上していきます。
多いときでは、8頭程が参戦していたでしょうか。
途中、ミナミハンドウイルカがクジラたちに合流しました。
イルカにとっても彼らの行動が面白いのか、ずーっと後を付けてきます。
時たま、うろちょろするイルカが目障りで、尾を振って蹴散らそうとするクジラもいます。
きっと、水中では、さらに激しい攻防が広がっているのでしょう。
尾の裏が真っ白な個体は、しきりにヘッドライズをします。
荒いブローをしながら上がってきては潜っていきます。
頭を上げる勢いが良すぎて、口が半開きになってしまうことも。
潜る時間が長くなってきましたが、それでも浮上したときは荒々しいです。
この闘いは、どうやら長期戦に持ち込まれるようです。
クジラを追っていたら、私たちもあっという間に遠いところまで来ていました。
後ろ髪引かれながら帰港します。
見ていてこちらも胸が熱くなるクジラたちでした。
振り返ると、今日はメイティングポッドだらけでした。
ブリーチなどの派手な行動も良いですが、メイティング行動は彼らの闘争心むき出しの状態を垣間見ることができます。
野生臭さがにじみ出るクジラたちに魅了された大満足のツアーとなりました。(NAOMI)