11月も中旬になりましたが、太陽が出れば、まだ夏を感じられる小笠原です。
今年最後のマッコウ&ドルフィンツアー、果たして外洋まで走れる海況でしょうか。

西側の海は静かです。
ジョンビーチとジニービーチの辺りでは、走る船上からも海底の様子が見えるくらいです。
でも、南側に回った途端、強い南東の風が吹いて、波が高くなりました。
残念ながら、マッコウがいる外洋域には走れそうにありません。
ハートロックを背景に写真を撮って、Uターンしました。

南島の周りをイルカを探しながら走り、扇池を覗くと穏やかです。
泳いで上陸の準備をしていると、他船からイルカ情報が入りました。
喜んで向かうと、イルカたちは大きな潮波の中です。
スノーケリングに自信がある方だけ泳いでいただきましょう。

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エントリーすると、海面は波立って体が上下に振り回されますが、透明度は抜群です。
青一面の中から、5頭のミナミハンドウイルカが寄って来ました。

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今日のイルカたちはご機嫌です。眼と眼を合わせながら、ずっと並んで泳がせてくれます。
行ってしまいそうになっても、また戻ってきます。
イルカの前で少し潜って上を見上げれば、あとから同じように潜ってくるし、水面に停まって下を見ると、白砂を背景にこちら目指して浮上してきます。
近くで見るいかにも大きなイルカたちに、皆さま大興奮されてます。

泳がない方たちは、船上からのイルカウォッチです。
イルカが潜ってしまっても、海に浮かぶヒトを目当てに見ていると、じきにその横に背ビレがいくつも現れます。
イルカやヒトが泳いでいる上空には、好奇心の強いカツオドリがたくさん集まってきています。
そんなさまを撮ろうと、船上ではカメラのシャッターが何度も切られていました。

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イルカたちから離れたあとは、南島へ泳いで上陸しました。
植生回復のための観察路立ち入り禁止期間になってからは私たちが初めての上陸でしょうか。扇池の砂浜には足跡が全くありませんでした。
プライベート南島の状態で、美しい景色をゆっくり楽しみました。
船に残ったお客様には、アーチのぎりぎりまで船を寄せて、砂浜をご覧いただきます。
間近に見上げるアーチのごつごつした岩が、迫力があります。

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南島から戻ったら、キャベツビーチでランチとスノーケリングです。
あいにく雨雲に覆われてしまいましたが、泳いでいれば全く問題ありません。
あちらへこちらへと泳ぎながら、片端からサカナを撮ってらっしゃいました。
また、水面に集まってサカナの種類を教え合っては賑やかに泳いでらっしゃるかたたちも。
浅瀬のウメイロモドキの群れは、船上からでもその派手な青色と黄色が見えました。

午後は、瓢箪島の横を通り、乾沢を覗いて、弟島の黒浜まで走りました。
西島を回ってから、釣浜でスノーケリングとアフタヌーンティーです。
人気ものであるクマノミをみていただき、ハコフグも印象に残ったようです。
船上でお茶を飲みながらお喋りしていたら、虹が現れました。
虹は、海の上にぐいぐい伸びて、その色も鮮やかさを増していきます。
雨上がりの虹を眺めていると、ちょっと得をした気分になります。

もしかしたら、数日前に沿岸域で初確認されたザトウクジラが見られないかしらと期待しつつ、やや沖を走りながら、帰港しました。