昨日とは打って変わり、雲がたちこめ、風が強く吹いています。
大潮で流れが速く、波も出てきました。

野羊山沖に親子のザトウがいました。
波の中、大小の背中が並んで現れます。

沖合には、アクティブなクジラがいます。
2頭のうち1頭が、ヘッドスラップを繰り返しています。
もう1頭に対してのアッピールでしょうか。
ヘッドスラップの次は、ブリーチやペックスラップも披露してくれました。

さすがに沖では、波が強くなってきます。
南島横の潮波でジャンプするイルカや背中を出すクジラがいますが、この波ではスルーしましょう。
やや岸寄りに戻ると、あちらこちらにブローが上がっています。
ザトウシーズン終盤とはいえ、島の周りにはまだたくさん見られています。
ブリーチしたクジラでも、それきりになったらさっさと離れて別のクジラを捜しにいきます。

弟島の黒浜にハシナガイルカがいるとの情報を貰いました。
北上して、ウォッチに加わります。
70頭ほどの群れが、入江で休息しているようです。
バウライドやサーフィングをすると、シャープで美しい全身が水面下によく見えます。
一斉に浮上するさまは壮観で、小笠原のリピーターさんも、こんなたくさんのイルカは初めて!と喜んでらっしゃいました。

兄島の滝之浦に入り、ランチタイムです。
ちょうど風影にあたり、のんびり寛いでいただけます。
世界各地のクジラ談義や小笠原についての話に花が咲きました。

兄島瀬戸の出口で、親子とエスコートの3頭がいました。
遠くから見えていたしぶきは、子クジラが元気に跳んでいるのでした。
まだ軽い子クジラは、勢いのままに尾の先まで出るジャンプも見せてくれます。
何回も何回も、あっち向いたりこっち向いたりと、跳び続けてます。
でも、さすがにくたびれたのか、途中からは上半身しか出ません。
どんなジャンプでも、子クジラがすると可愛らしく思えてしまいます。

ちょうど、空を覆っていた厚い雲が動き、晴れ間が出てきました。
長いこと跳び続けた子クジラも、落ち着いたようです。
いつの間にか、クジラたちは二見湾口まで来ていました。
町を背景に、それぞれがおもむろにブローをしては潜っていきます。

子クジラはオトナのように長く潜れないので、早めにプハッと浮上してきます。
ひとりだけ船に興味を持って、近付いてくることもありました。
間近で見ると、けっこう大きいのに驚きます。
母クジラとエスコートの鮮やかなフルークアップを見て、帰港しました。

グレーの海のクジラ、いかにもザトウシーズンらしいとも言えるでしょう。
今日も、そんな海でクジラたちは多くのアクティブな行動を見せてくれました。
風が強い日にクジラが跳ぶという説もありますが、さて、真相はいかがでしょうか・・・。(NAOMI)