昨日の靄がすっかり晴れました。
水平線の入道雲が、いかにも夏らしいです。
出港してすぐに、ミナミハンドウイルカの情報がありました。
野羊山を回ったところで、他船がスイムをしています。
私たちも早速加わりましょう。
2頭のイルカは、船に寄ってきては、船首波や引き波に乗って遊んでいます。
近づいてくれるのは嬉しいけれど、なかなか水中に入ることができません。
楽しそうなイルカたちにタイミングを合わせて、ようやくエントリーします。
真っ青な海の中を、イルカたちがこちらへ向かってきます。
Sea-Tacでライティ、ラインと呼んでいる親子のイルカです。
お母さんのライティは、左目の上のリボンのような形の白斑が特徴的です。
OWAによる個体識別では、#19・スポッティというニックネームが付いています。
父島列島沿岸域で、長年見られている個体です。
まだコドモのラインは、好奇心旺盛です。
ヒトに寄ってきて、一緒に回って遊んでくれます。
通り過ぎても、何度も振り返っては、こちらを見ていました。
朝一番のドルフィンスイムに興奮冷めやらぬ中、南島の扇池を覗きます。
まだうねりが残っているので、泳いでの上陸は午後にしましょう。
ハートロック、ジニービーチ、ジョンビーチを見て回り、北上しました。
お昼休憩は、兄島海域公園のキャベツビーチでとりました。
明るい陽差しに照らされて、海の中が透き通っています。
スノーケリング初心者のお客さまも、たくさん泳いでどんどん上達なさいます。
チギがロクセンスズメダイを追いかけて捕食している、珍しい光景も見かけました。
弟島のスモールまで船を走らせて折り返し、今度は兄島の滝之浦で船を停めました。
浅沈で、沈没船を眺めながらスノーケリングをしましょう。
スカシテンジクダイの幼魚が群れていたり、ナマコがいたりと見どころいっぱいです。
改めて南島に向かいかけたところで、水面にトリが浮いているのを見つけました。
船を寄せてみると、陸ドリらしく、羽がすっかり濡れて重そうです。
まだ若ドリで、地形をよく分かっていなかったのでしょうか。
それともノスリに追われでもしたのでしょうか。
羽ばたいて、一度は船のデッキに止まったのですが、どうも落ち着かないようです。
そこでゆっくり羽を乾かせばいいのに、とハラハラします。
なんとか飛び立とうとして、またすぐ海に落ちてしまいました。
結局、回収して陸に連れて行き、専門機関にバトンタッチすることにしました。
南島沖に、ハシナガイルカとミナミハンドウイルカの混群がいました。
ミナミハンドウイルカを目指して、スイムをしましょう。
まずは、30頭ほどのハシナガイルカが先頭をやってきます。
シャイなイルカたちを脅かさないよう、そっと見送りました。
続いてミナミハンドウイルカです。
スマートなハシナガイルカと比べると、大柄で逞しい印象です。
21頭までは数えましたが、もしかするともっといたでしょうか。
次々にやってくるイルカたちから目が離せません。
若いイルカはヒトに寄ってきて遊んでくれます。
朝の群れがいた海域よりも透明度が良く、海底がはっきり見えます。
南島周辺は海底にも白砂が広がり、美しい景観です。
親子が多く、産まれたばかりの赤ちゃんイルカもいます。
胎児線がくっきり残っている赤ちゃんは、オトナたちに付き添われ、ヒトから離れたところを通り過ぎていきました。
もう少し育ったら、一緒に遊んでね。
スイムのあとは、しばし船上からウォッチングしました。
最後に、南島へ行きましょう。
まだうねりがありますが、練習の甲斐あって、泳いで上陸できました。
東尾根の上でスコールに見舞われたけれど、扇池まで戻ると、一転、青空が広がりました。
ガイドブックそのままの景色の中で、記念撮影です。
今日は漂流ゴミもたくさん拾いました。
随分長く漂っていたらしきものから、比較的新しそうなものまで様々です。
海の生き物たちへの影響を少しでも減らせるよう、状況さえ許せば、こうして回収しています。
ドルフィンスイムの機会に恵まれた1日でした。
2種のイルカに同時に出会い、姿や性格の違いも感じ取っていただけたでしょうか。
またこの海に、別の出会いを楽しみにいらしてください。(KOKORO)