今日はバードウォッチャーによるチャーターツアーです。
海ドリが営巣する沿岸域を回ってから、外洋域へも向かう予定です。

最初に訪れた南島東岸では、カツオドリのヒナが見られました。
島の輪郭を縁取る灰色の岩場のあちこちに、ヒナの白が点々とあります。
羽毛がふわふわですね。

こちらは、親に守られている、まだ幼いヒナです。
光沢のある茶色い羽毛の成鳥も美しいです。

クロアジサシを見つけました。
黒いからだの中で白く丸みのある頭が愛らしく、目元はきりっとしています。
飛び回っては、岩の上で休憩していました。

父島の南から東へ回り込むと、4頭のミナミハンドウイルカがいました。
穏やかな岸寄りをゆっくり泳ぐイルカたちについていきます。
そのうち、沖から来た別の群れと合流、30頭にもなりました。

親子が多く、子イルカは母イルカのすぐ横に付いています。
ヤングイルカは、船のすぐ横を泳いだり舳先に現れたりしました。
それぞれが気ままにのんびり遊んでいます。

いきなり、船のすぐ前で跳んだイルカがいます。
綺麗に弧を描いた、見事なジャンプです。
よく見るハシナガイルカの軽快なジャンプとは異なり、力強さがあります。

兄島瀬戸のキャベツビーチでお昼にしました。
船上からもサカナが見られますけど、シュノーケリングではもっと近付けます。
透明度も高く、固有種のユウゼンはじめ、さまざまなサカナを見られました。

東島の波打ち際をクロアジサシが飛んでいます。
数羽が、波と遊ぶようにくるくる旋回していました。
足を海水に浸けるかのような飛びかたは、どういう理由だったのでしょうか。

外洋域へ走ると、鳥山がありました。
ミズナギドリの群れが、しきりに海に突っ込んでいました。
追われてるらしきサカナが、海面上に何度も飛び上がっています。

鳥山には、オナガミズナギドリ、セグロミズナギドリ、シロハラミズナギドリが混在していたようです。
オナガより小さく、翼をよく羽ばたかせるように飛ぶのがセグロ。
さらに小柄で、海面を滑るように飛ぶのがシロハラ。
お客様に教わりながら、スタッフもトリの姿に眼をこらします。

いつものツアーでは、つい見過ごしがちなトリたちです。
改めて、小笠原ならではの貴重なトリの姿や生態に興味を引かれました。
クジライルカツアーの際には見えなかった世界が、ぐんと広がったようです。

バーダーの皆さまは、思い思いの位置でシャッターチャンスを狙ってらっしゃいます。
それぞれが素敵な写真を撮られたでしょうか。

心配された台風の影響もなく、沿岸と外洋とでいろいろなトリを見ることができました。
たくさんのイルカたちのさまも楽しんでいただけたようです。
トリは門外漢のスタッフにとっても、あれこれ勉強になった一日でした。(KOHEI)