南西の風で西側の海は波立っていますが、島陰の東に回れば問題ないでしょう。

兄島瀬戸の出口で、ブローを見つけました。
親子とエスコートの3頭のザトウクジラたちです。
のんびりしているようで、子クジラに合わせてか、呼吸間隔も短く、ウォッチしやすいです。


先に、エスコートのクジラが尾を上げて潜っていきます。
続いて、母クジラもぐーっと尾柄を持ち上げました。
上がった尾を見ると、右上に半円の欠損があります。
あ、この特徴的な尾ビレは、モッチーニではありませんか!
小笠原でもっとも有名なクジラのモッチーニ、子連れで帰っていると聞いてはいましたが、ようやく会えました!
モッチーニは1992年生まれで、毎年のように小笠原で観察されています。
いま見ている子クジラが、彼女にとって9番目の子にあたります。
たくさんの子を育てている、頼もしい母クジラです。


3頭をウォッチしていると、親子と船の間にエスコートが割り込んできます。
エスコートとしては、この親子を守っているつもりなのでしょうか。
こちらのクジラの尾の裏の模様もわかりやすく、個体識別ができそうです。


モッチーニたちから離れて、兄島の東を北上しました。
二本岩沖で見つけたブローに近付きましたが、15分過ぎても浮上してきません。
東側とは言え、沖では白波が立ち、船は揺れています。
このクジラをあきらめて、拳崎の手前でUターンしました。


お昼は、兄島海域公園のキャベツビーチに停まりました。
生憎の雨模様ですけど、海の中では関係ありません。
皆さま、サカナに大接近のスノーケリングを楽しんでいらっしゃいました。

午後は、東島の南で2頭のザトウをウォッチしました。
次々尾を上げて潜っていったあと、船の左舷でブローの音がします。
おや、親子クジラが近くにいます。
この親子も潜ったと思ったら、子クジラが船の目の前でブリーチングをしました!
予期せぬ行動に歓声が上がります。
続けて、2度目のブリーチング!
子クジラとは思えないほど、キレイに跳んでいます。
そのままアクティブな行動を続けるのかと思いきや、それきり、見えなくなってしまいました。
はて、どこへ行ったのやら。
母クジラが近くの船を気にして、子クジラを連れ去ってしまったのでしょう。


そこへ、イルカの情報が入りました。
北バラバラでミナミハンドウイルカの背ビレがあちこちに見えます。
さっそく、スイムしました。
海の中では、14頭のイルカが広がっていました。
通り過ぎたと思っても、そのすぐ後ろから別のイルカがやってきます。
次から次へとやってきます。
ハートやジョー、ライティにクッキーと、馴染みの顔もいました。


水温はまだ低めですが、透明度は抜群です。
イルカたちは、ときに波乗りして遊んでもいました。
水中でも水上でも楽しそうなイルカに、皆さま笑顔でスイム&ウォッチをされてました。


スイムを終えると、すぐ近くにクジラがいました。
どうやら、先ほどのアダルト2頭のようです。
それぞれがゆっくりを尾を上げて潜っていきます。


帰港途中でも、あちこちにブローが見えます。
この時期は、クジラが多く、見ずに走るのが難しいくらいです。

今日は島の東側だけという限られた海域でのツアーでしたが、クジライルカと盛りだくさんでした。
モッチーニの子の成長も見守っていきたいですね。(NAOMI)