海は昨日より穏やかになりました。
北風がやや冷たく感じられますが、今日も快晴です。
出港してすぐにイルカの情報があったので、急いで向かいます。
60頭ほどのハシナガイルカの群れです。
ほっそりした身体に、体色の濃淡のコントラストが美しいです。
この海で暮らしているのは、イルカだけではありません。
すぐ近くではザトウクジラのブローが上がっています。
頭のてっぺんの2つの噴気孔から、体内で温められた呼気が噴き出して白く見えます。
沖ではオトナのクジラたちが、競い合うようにブリーチを繰り返しています。
1頭ずつ跳ぶときもあれば、2頭同時に跳ぶときもあります。
そのたびに豪快な水飛沫が上がります。
ブリーチのあとは、仰向けになって両方の胸ビレを海面で振り回していました。
ザトウクジラの特徴である長い胸ビレが絵になります。
船が近くに寄ってからも、クジラ同士の追いかけっこをしばらく続けていました。
やがては落ち着いて、通常の呼吸行動に戻っていきます。
島の方へ戻りかけると、さっきのハシナガイルカたちが北へ向かっています。
仰向けになって尾ビレで海面を叩いたり、ジャンプ行動をしたりと、ややアクティブです。
Spinner dolphinという英名通りのスピンジャンプも披露してくれました。
ハシナガイルカの群れのすぐ後ろに、何かがいます。
イルカにしては大きいな、と思ったら、子クジラですね。
随分小柄なので、まだ生まれて間もないのでしょう。
しばらくすると母クジラも浮上してきました。
別の2頭のオトナのクジラが親子に近付いてきます。
それを嫌がってか、イルカたちはクジラから離れていきました。
オトナの尾ビレはさすがの逞しさです。
出港直後から息つく間もない出会いの連続でした。
兄島海域公園のキャベツビーチで一息入れましょう。
サカナやサンゴの多い、おすすめのスノーケリングポイントです。
泳いだり潜ったり飛び込んだり、遊び方もいろいろです。
改めて船を走らせ始めると、すぐ横に子クジラが浮上しました。
この子も身体が小さいです。
この時期の小笠原は、ザトウクジラの出産シーズン真っ最中です。
また別の親子クジラを見つけました。
子クジラが何度もブリーチをしています。
跳ぶことを全身で楽しんでいるような、可愛らしいジャンプです。
お昼休憩は兄島の滝之浦でとりました。
ヒトが定住したことのない兄島は、固有の植物や昆虫の宝庫です。
上陸はできませんが、枕状溶岩の様子などを間近でご覧いただきました。
午後はまず南島へ向かいます。
扇池のアーチの前まで行って海況を確認しました。
いっとき穏やかになりかけるのですが、すぐに強いうねりが押し寄せて、荒れてる時間も長いです。
安全を考慮し、今日は上陸は諦めましょう。
代わりに、ジニービーチに泳いで上陸しました。
父島でも、ジニービーチとジョンビーチのエリアだけは南島と同じ隆起サンゴでできています。
サンゴダストの白砂の浜は、目に眩しいほどです。
港に向かう途中、のんびりした親子クジラがいたのでウォッチングしました。
母クジラは半ば眠っているのでしょうか。
動きがゆったりとしていて、コドモが船に近寄っても知らん顔です。
子クジラは、まだお母さんほど深く長く潜れないので、頻繁に浮上してきます。
今日もたくさんの出会いがありました。
久しぶりにハシナガイルカのジャンプを見られたのが嬉しい一日でした。(KOKORO)