雨でも

晴れ予報が大きく外れて、朝から雨が降っています。
でも、風は心配していたほど吹いてなく、海も西側は穏やかです。

出港してまず、南島に向かいます。
サメ池の入り口は少し波がありましたが、タイミングを見て入れました。
おそらくこの日、南島に上陸できたのは、私たちだけだったのではないでしょうか。
ラッキーでした。

南島から帰ってくると、イルカがいるとのことで、泳ぐ準備をします。
けれど、移動中のイルカだったのか、私たちが着いた頃には残念ながら見失ってしまったそうです。

イルカクジラを探しながら北上すると、ザトウクジラが船の前に現れました。
二頭のクジラは、ゆっくりブローを繰り返し、尾ビレをキレイに上げて潜っていきました。

そのクジラたちの次の浮上を待っていたら、離れたところで水飛沫が上がりました。
どうやら、子クジラが元気に遊んでいるようです。
急いで向かうと、子クジラは、目の前で何度もブリーチングを披露してくれました！
母クジラが呼吸に浮上してくると、跳ぶのをやめて、母クジラに寄り添います。
母さんからおっぱいをもらっているのでしょうか。
そして、母クジラが潜ると、またブリーチングを始めます。

昼休憩に向かっている途中で、ミナミハンドウイルカを見つけました。
今度こそはと、急いでスイムの用意をします。
海に入ると、12頭のイルカたちがやってきました。
遊ばないの？とでも言いたげに、止まってこちらを見上げるイルカもいました。
すぐ横をのんびり泳いでくれたり、かと思うと、夢中になって遊び合っているイルカたちもいたり。
こんなにイルカの近くを泳げるなんて！と、お客様も大喜びです。

スイムのあとは、船上からウォッチングもしました。
イルカたちは、いつまでも船の側を離れようとしません。
水中と水面の両方から、イルカをお楽しみいただけました。

キャベツビーチで、遅くなった昼休憩とスノーケリングです。
ここでゆっくり泳がれて、スノーケリング初心者の方もみるみる上達なさいます。

滝之浦では、朝から降り続ける雨で、あちこちに滝ができていました。
いかにも名前の由来を思わせる光景です。
雨の日しか見られない、珍しいさまでもあります。

西島の北で、ザトウクジラ6頭の群れに出会いました。
アダルトたちの交尾集団で、メスのハートを射止めようとオスたちが競い合っています。
アンダーウォーターブローを繰り返して威嚇し、水面ではライバルの上にのしかかります。
中には、背ビレにケガを負っているクジラもいました。
激しく争うさまをウォッチングしていると、突然、船の真横に一頭が浮上してきて、驚かされました。
別のクジラが、この交尾集団に参戦しようとやって来たのでしょうか。
恋のシーズンも後半戦ですから、クジラたちもいっそう切迫してるのかもしれません。

スモールの南に集まっている船に近付くと、ハシナガイルカがいました。
80頭ほどの群れが、大きく広がっています。
キャプテンがスピードを出して船を走らせると、イルカたちは引き波で遊んでいます。
ポーポイジングやスピンジャンプなど、ハシナガならではのアクティブな行動をたくさん見せてくれました。

この日は雨が降り続きましたが、クジラにイルカにと、出会いに恵まれたツアーとなりました。
彼らの魅力はこれだけではありません。季節が違えば、また違う行動を見せてくれます。
今日ご乗船くださった皆さま、ぜひまた別の季節にもいらしてくださいますように。（NAOMI）