今便では、毎年いらしてる杉並区の中学生たちが来島されました。
到着された26日は、快晴で蒸し暑く感じるほどです。
早速、午後から宮之浜でスノーケリングの練習です。

海に入る前に、浜に落ちているゴミについてのレクチャーをしました。
何気なく捨てたゴミで、サカナやカメやイルカなど海の生き物にどのような悪影響を及ぼしているのか。
そして、それを避けるために、私たちにいったい何ができるのか。
皆さま、真剣に耳に傾けてくださいました。

続いて、お待ちかねのスノーケリングです。
器材の説明をしてから、浅瀬で練習しました。
若い皆さまは、飲み込みが早いです。
慣れてきたら、足の届かない沖まで泳ぎます。
透明度もよく、陽差しもあるので、海の中が輝いています。
ナマコやヒトデを触ったり、アオリイカやアカエイ、スジクロハギの大群を見たりしました。

27日は、ボートツアーです。
強い西風が吹いて二見湾付近の海況が悪いため、急遽、宮之浜からご乗船いただきます。

穏やかな東に回ると、箱浜沖でしぶきが上がりました。
クジラが起こしたしぶきでしょうか、近付いて、ウォッチスタートです。
親子とエスコートの3頭のザトウクジラのブローが順に出たと思ったら、エスコートが跳びました!
いきなりのアクションに、驚きの声が上がります。
続けて、クジラは、飛ぶ、跳ぶ、とぶ。
右を向いたり左を向いたり、仰向けになったり、腹打ちをしたり、さまざまな跳び方です。
胸ビレを広げた鮮やかな背面跳びも披露してくれました。
このエスコートは、母クジラに何やらアッピールしているのでしょうか。

もう終わったかと思っても、小休止のあとで、またブリーチを再開します。
尾ビレまで出ている特大ジャンプも見せてくれます。
着水するたびに、力強い音が響きます。
あいにくの小雨が降ってきても、皆さま、舳先から動かずにクジラをご覧になってました。

アクティブなエスコートの隣で、我関せずと、親子クジラはゆっくり泳いでいます。
そろって浮上するとその背の大小がよくわかります。
無反応な母クジラにいっそう闘志を燃やしたのか、エスコートはペックスラップも始めました。
片方の胸ビレを出していたのが、じきに仰向けになって、両方の胸ビレで叩きます。
さらには頭を突き出して、あの手この手で母クジラの気を引こうとしていました。

ようやく落ち着いたクジラから離れかけると、マンタがいました。
黒い四角の影が水面下を泳いでいます。
初めは見つけにくかった皆さまも、胸ビレの両端が水面上に出ると、ここだここだと大はしゃぎ。
船が近付いても逃げないマンタでした。

北へ走りかけると、またクジラが船の横に現れました。
先程の親子クジラとエスコートがここまで泳いできていたようです。
間近のクジラたちは、つくづく大きいです。
マンタと同じく、船を気にするそぶりを見せず、おもむろに通り過ぎていきました。

続いて、別の親子クジラ、そしてまた、別の親子クジラと現れます。
今日の東側は、親子クジラだらけのようです。
次々上がるブローを尻目に、船は兄島瀬戸に向かいました。

兄島海域公園のキャベツビーチに停まり、それぞれが泳ぐ準備をしたら、バディ同士で海に入っていきます。
昨日の練習の成果もあり、大潮での早い流れもへっちゃらです。
より多くのサカナたちに囲まれて、いつまでも泳がれていました。

気が付くと、昼を過ぎて、もう13時です。
宮之浜で下船し、お祭り広場に移動して遅くなったお昼休憩をとって頂きました。
一日ツアーの予定でしたが、午後からさらに時化る予想なので、残念ながら早めの帰港となりました。

やや短縮となったツアーでしたが、中身は濃いものでした!
なにより充実したホエールウォッチでしたし、スノーケリングではちょうど晴れてきて、美しい海中を楽しめました。
皆さま、幸運の持ち主ばかりなのかもしれません。
帰られたらこの経験を自慢なさって、次はご家族で小笠原に遊びにいらしてくださいね。(NAOMI)