天気は晴れ、少し風と波があります。

午前は、マッコウクジラを求めて、船を外洋域まで走らせました。
今日は、北から、水中マイクで彼らの発するクリック音を探すことにします。
二度までは聞こえず、三度目を目指して南下しているとき、マダライルカが近付いてきました。

50頭ほどとマダラにしてはいつもより少なく、船の周りでもあまり遊ばず離れて行きます。
不思議に思いつつ進むと、すぐに特徴的な丸い背ビレを見つけました。
コビレゴンドウの、オスの成熟個体も混じえた40頭ほどの群れです。

体長5mとマダライルカより大きく、樽型の頭と太い胴で、力強い動きは迫力があります。
先ほどのマダラは、近くにいたこの群れを警戒していたのかもしれません。
やがて、コビレゴンドウたちも潜っていきました。

そこでまた水中マイクを入れると、今度はクリック音が聞こえました。
そして、間もなくブローを見つけました。
斜めに上がるブローは、まさしくマッコウクジラです。

マッコウクジラは、船に興味があったのか、まっすぐ近付いて来ました。
頭の左前方にある鼻の穴もはっきりと見えます。
ブローの白い水しぶきが黒い胴を覆います。

並んで泳いでいる大小の2頭は、親子でしょう。
子クジラは、頭全体を持ち上げるようにして呼吸します。
まだ、母クジラのようにスマートな呼吸ができないようです。

今日の群れは比較的近くにまとまっていたので、次々とマッコウクジラをウォッチできました。
マッコウは、呼吸を繰り返してから、高く尾を上げて深みに潜っていきます。
潜ったマッコウは、海底で餌を追い、次の浮上は30分か1時間後でしょう。
マッコウに別れを告げて、沿岸域に戻ることにしましょう。

キャベツビーチに止まり、お昼休憩をとってスノーケリングをしました。
潮の流れのためにやや水温が低めですが、それでも29℃近くあって快適に泳げます。
水中ではネムリブカやアオウミガメも見られました。
サカナたちも多く、そこここで歓声が上がります。

午後は、父島の西側を走りました。
海面に浮いているアオウミガメが、ひょこりと顔を出してから潜ってゆきました。
南島の沖で、ミナミハンドウイルカを見つけました。
早速、泳ぐ用意をしましょう。
エントリーすると、7頭のイルカたちが激しく絡み合っていました。

海中は、イルカの出すホイッスル音やバースト音で賑やかです。
イルカたちは平気でヒトにも近付いて来ますが、ヒトと遊ぶのではなく、イルカ同士の絡みに夢中です。
うっかりするとぶつかりそうになるので、避けながら水中ウォッチです。

中に、コバンザメを3尾も付けているイルカがいました。
うち1尾はちょうど眼に被さっていて、果たしてこれで見えているのでしょうか。
さぞ、うっとおしいことでしょう。
それでも、このイルカも、他のイルカと一緒になって元気に泳ぎ回っていました。

たっぷりスイムしたあとは、ハートロック、ジニービーチ、ジョンビーチと走りました。
ジョン沖でスノーケリングにしましょう。
キャベツビーチとはまた違うテーブルサンゴやサカナの群に眼を奪われます。

午後遅くの柔らかくなった日射しを受けながら、帰港しました。
マダライルカ、コビレゴンドウ、マッコウクジラ、ミナミハンドウイルカと、鯨類4種に出会えたツアーでした。(KOHEI)